2016年03月の記事 | 今のところではありますが…
相手の感情に、振り回されない!

【2016.03.29 Tuesday 15:09
他者から投げられた怒りのボール。
かっ飛ばしますか?
あるいはからだを投出し、
とめますか?




たとえば、
家族が不機嫌な態度の時、
あなたはどうしますか?

a機嫌をとる
b「私が何かした?何怒ってるの!?」と逆切れしてみる
c自分も不機嫌になる

私が以前、頻繁に使ってた方法は、
aからのc。
最初はなんとか場を明るくさせようと、
おもしろいことを話しかけたり、
お茶煎れたりして、
相手の気分をあげようと努力。
それでも不機嫌がなおらないと、
「これだけ私が努力してるのに!」と
怒りがむくむくと湧いてきて、
(勝手に自分が機嫌とってるのに、ね!)
仕返しのように自分も不機嫌になるパターンを
多用してたものです。



では、職場で同僚に、
一方的に怒鳴られたとき、
あなたはどうしますか?

a怒りがおさまるのを身を縮めてまち
 「すみません すみません」を繰り返す
b怒鳴り返す
c仕返しの機会をねらう

私は幸いなことに
職場で怒りをぶつけられるようなことは
これまであまりありませんでした。
しかし、想像するに、
多分aやcを多用したと思うんです。


これらのように、
相手が感情的になっている時、
どのように振る舞ったらいいか?
それをテーマのひとつとして取扱うのが
アサーティブトレーニングの
ステップアップ講座。
基礎、応用を受講くださった方に
受けていただける講座です。

この度、3年ぶりに静岡で開催決定。
すごくおもしろい講座なので、
この機会にぜひ受けていただきたく
記事をアップしました。


テーマは
・主張する力と話を聴く力
  問題を解決していくには、
  相手の話を聴くことが大切。
  相手がどこに問題を感じているか、
  どう考えているか、どんな要求を
  もっているのか、しっかりと
  聴く力をもつ
・批判への一歩進んだ対応
  「こんなものしか提出できないの!?」
  ぐさっとくるようなアドバイス、
  まったくの誤解の批判などに、
  さて、どう対処しましょう?
  応用で学んだその瞬間の対処に、
  もう一歩踏み込んだ対応方法を学ぶ
・感情的になっている相手への対処
  他者の怒りに対処するコツを学ぶ
・自己信頼と内側の力
  批判、いやな態度、怒りをぶつけられること、
  そういう他から受ける、強くきつい攻撃。
  これへの一番のプロテクターは、
  自分の中にある自分を認める力を
  意識すること。
 



平常時はまあまあでも、
自分の感情が波立っている時や、
相手の感情が波立っている時は、
本当にコミュニケーションが
むずかしいです。

だからこそ、
そんな時にどういう態度が
関係をこわさず、
自分のことも大切にできるのか、
知っておくことはめちゃ大事です。



アメリカの第25代・26代大統領の
セオドア・ルーズベルトの言葉。
「成功とは、
 どうやって人とうまくやっていくかを、
 心得ていることである」

「心得」ていただくために
学ぶ場を提供できること、
とってもとっても嬉しいです。




アサーティブトレーニング
ステップアップ講座in静岡
日時:2016年4/16(土)17(日)
場所:グランシップ(静岡県静岡市)
時間:2016年 4/16(土)10:00〜17:00
         17(日)9:30〜16:30
対象:基礎・応用講座を修了された方
  (2日間通して参加できる方)
費用:31,885円(8%税込)
定員:21名
講師:谷澤久美子(アサーティブジャパン認定講師)
お申し込みは アサーティブジャパンまで




*このウェブサイトは、
NPO法人アサーティブジャ パン認定講師である谷澤久美子が個人で開いているホームページです。このウェブサイトに関する全ての責任は谷澤久美子にあります。NPO法人アサーティブジャパンが運営・管理しているウェブサイトではありませんので 予めご了承ください






 
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「心理的安全性」と「良い人間関係」

【2016.03.25 Friday 12:02
サッカー日本代表のアフガニスタン戦、
めちゃ気持ちよかった。
がむしゃら派だった岡崎選手(エスパルス出身!)が
相手をぬいて得点したシーン。うまくなったなあ!
技を磨いて、堂々としたエースっぷりが
嬉しい。

この試合の最中、
いいなあ!と思うシーンがあった。

試合序盤から主導権をにぎり、
攻めているのに、得点できない日本。
応援している私たちが
「なでしこ」を思い出したり、
「得点力不足継続中なの?」
といらいらっときた頃、
センターサークルあたりで、
選手達が円陣を組んだのだ。

このままだらだらやらないぞ・・
という意思確認だったのか?
あるいは、
連携や、作戦上の確認だったか?
どちらにしても
「勝つ」ってことに関して、
コミュニケーションをとったと思う。

そういうことって、大切なんだと思う。


さて、
グーグルが2012年に開始した
労働改革プロジェクトの結果を発表した。
それは社員の生産性を極限まで高めるには、
どうすればいいのか?がテーマのプロジェクト。

突き止めた結果は、
「チーム編成の在り方」でも「規範」でもなく、
「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」
といったメンタルな要素の重要性だったという。

成功するグループ(チーム)は、
「心理的安全性」が担保されていたってこと。

具体的にはどういうことかというと、
ひとつの例としては
チームメイト全員がほぼ同じ時間だけ発言すること。
(逆に、誰か一人だけがしゃべりまくって、
 他のチームメイトがほとんど黙りこんでる
 チームは失敗するんだそうだ)

「こんなこと言ったらチームメイトからバカに
されないだろうか」「リーダーから叱られない
だろうか」という不安を払拭し、
安心できる雰囲気をチーム内に育めるかどうかが
鍵とのこと。

そりゃそうだよなあ。
ぴりぴりして、緊張感ばかりある場では、
新しいことへのチャレンジなど怖くてできないし、
考えついた改善策なども、評価が気になり、
口に出すことなどできないだろう。

困った時に「助けて」と言える場。
目標にむけて「集まろうぜ!」って言える、
アフガニスタン戦の代表みたいな場。

弱音もはけるし、
夢も語れる場。

風通しいいチーム。

そのためにできることは、
コミュニケーションの、
まずは量をふやすことだろう。




仕事は人生の大半を占めるものだ。
だから
良い人間関係の中で仕事ができたら、
幸せだ。



って言いきってしまっていい!という
研究結果が
アメリカの臨床心理医学教授
ロバート・ウォルディンガー博士によって
TEDで発表されていた。

彼が率いる「ハーバ−ド成人発達研究所」が
75年間、
724人の男性を
追跡調査した結果、

「一生を通して、
 私たちを健康で幸福にしてくれるものは、
 富でも名声でも無我夢中で働くことでもなく、
 良い人間関係に尽きる」

という結論が導き出されたそうなんだ。

彼らは724人の男性
(ハーバードの2年生たちと、
 ボストンの極貧環境で育った少年達)を
一年おきに、
質問表を送り、インタビューし、医療記録をチェックし、
血液検査、脳画像を取り、妻や子どもに話をきき、
時には
「妻と最も気がかりなことについて話す」場面を
撮影したりしながら、データを集めたんだそうだ。

80才の時健康で幸せだと答えた人の
50代の時のデータを全て集めてみると、
コレステロール値などに関係なく、
「幸せな人間関係の中にいた人」
だったらしく、
「親密な良い関係がクッションとなり、
加齢過程での様々な問題を和らげてくれる」
と言っている。
良い人間関係は、
幸せを感じさせてくれるだけでなく、
健康や、
脳の健全な働きも守ってくれることにも
寄与するとのことなのだ。

しかも、良い人間関係をもてる人が
たくさんいることが大事なのではなく、
信頼でき、信頼され、
頼ってもらえて、頼れる、
「質の高い関係」
があることが大事なんだそうだ。

ここまで読んできて、
「ふむふむ、なるほど。
 よし、このままでいこう!」
って思った方もいると思うし、
反対の方もいるだろう。

現状、
良い人間関係が持ちにくいと考えてる方や、
そのことで悩んでいる方は、
がっかりされただろうし、
もしかすると腹がたったり、
心配になったりされたかもしれない。

ただ、
だとしたらチャンスなんじゃないか。

感情が動くのは、
自分の人生を大切に思い、
自分を活かして生きていきたいって
思ってる証拠で、
だからこそ、
心のアンテナが動いたんだと思う。
行動を起こしてみる、
チャンスがきたかもしれない。


良い人間関係を作っていくための方法に、
手っ取り早いものなんてないけど、
でも、
そういうものがない訳じゃなくって
「ある」。
時間をかけて手に入れていく価値あるもの。
その方々に、
自分にあった方法がみつかると、
ほんと、いいな!
って思う。




で、最後に、
えっらい方々の研究結果はすごいと思うけど、
私の考えは、

幸せはなるものではなく、
 みつけるもの。

80才で幸せを見つけられる人は、
50才の時、どういう状況であっても、
その自分の毎日の中に
それがたとえばささやかであっても、
世間的にどうであっても、
小さくって、ほのかで、かすかな
幸せをみつけることができた人なんじゃないか
って思う。

チームの中でも、
すっごいことができなくっても、
チーム内のそれをみつけ続ける人でありたいし、
それは、チームにとって悪い影響には
ならないと思うんだ。




ロバート・ウォルディンガー博士は
TEDでのスピーチの最後、
マーク・トウエインの言葉を引用してる。
「かくも短い人生に
 諍い謝罪し傷心し
 責任を追求している時間などない
 愛し合うための時間しかない
 たとえそれが一瞬にすぎなくとも」

そして、
「良い人生は
 良い人間関係で 
 築かれます」
と締めている。

うん、
私は、この歩みを止めずにいく。




 
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気付いたら、降り積もってた。

【2016.03.21 Monday 09:44
3/19に行ったアサーティブ・カフェ。
午前中はアサーティブとの出会いから今まで
を振り返り、自己表現の道具を手にいれ、
チャレンジしている日々が自己信頼感に
つながっていることを、
参加者一人一人が確認しました。

お一人の方のフィードバックシートを、
インタビュー形式にして、
掲載します。(もちろん、アップすることに
許可いただきましたよお)

・・・・・・・・・
Qアサーティブトレーニングを受けてみようと思った動機は?

A 最初は子どもの不登校でした。
 なんとか学校にも行かせたいと思ったし、
 何より私がつらかった。
 苦しんでいる娘も救いたかったし、
 私も(もしかしたら私が)楽になりたかったのかもしれません。
 しかし続けるうちに変わってきたのは
その理由でした。
 もちろんつらい気持ちから抜け出すことも大切なことでしたが、
 でもそのために具体的にどうしていくか、
 何が必要かの作業に変わっていったように思います。


Q変わっていったというのは、どんなふうに?

私にとっては家族とのコミュニケーション、
 とりわけ夫とのコミュニケーションが重要だと
 気付いていきました。
 子どもを学校へ復帰させることはもちろん重要ですが、
 そのためだけではない子どもとのコミュニケーション、
 さらにそのための夫とのコミュニケーション
 というように自分の中でのテーマが
 明確になっていったことが
 続けてこれた大きなひとつの要因だと思うのです。


Q気に入ってるアサーティブのキーワードなど、
 あったら教えて。

A キーワードの中でも「誠実」と「自己責任」
 私にとっては思い入れの深いものです。
 問題がおきた当時、
 家族のことを最優先にしていた私は、
 まずは自分に誠実になるということが、
 まさに「目からウロコ」だったと思います。
 そこから始まって数年たった今、
 自分に誠実にならないと、
 他者にも誠実になれないって思っています。
 いつか講師が話していた
 「自分の気持ちがつかみにくいと、
 他者の気持ちもつかみにくい 」
 そのとおりだと思います。
 表裏一体、自分なくしては
 他者にというのもむずかしい。
 そして、大切にされた経験は
 他者を大切にする経験に生きると思います。
 またアサーティブトレーニングを通じて、
 安心して話を聴いてもらえる場の
 大切さを体験してきました。
 大切にしたい仲間もできました。
 悩みは違ってもそれに真摯に向き合っている
 人たちとの時間は私を助けてくれました。


Qアサーティブを学ぶ場も大事になっていったんだね。
 ほかになにかある?

A自分の気持ちを大切にして
 まずはそれをつかむことによって、
 次が開けてくるという実感があります。
 気持ちとの出会いは漠然としていることが多いです。
 それを私は何に引っかかってどう感じているのか、
 それは事実なのか、それともあくまで
 自分の想像の中のことなのか
 (きっとあの人はこう言うとか、
 こう思うに決まってるみたいなこと)、
 何か言われたとして
 確かにそうだねという話なのか、
 いやそれは違うという話なのか…
 それがわかってくると、
 ならばどう伝えようか、
 どう行動しようかに
 つながってくると思います。
 もちろんこの一連の作業は
 一瞬にしてできることは少なくて、
 その場では何もできないとか
 時期を逸してしまうなんてことは
 私はざらです。
 それでもそのままにしてしまうよりは全然いい!
 落ちる自分を救い上げることができます。
 そうすれば少し前に進めます。
 
  そしてこれは私にとってはホントに大事!
 「アサーティブではない自分」
 これが否定されないこと。
 これがないと続かない、息がつまる、
 私ってだめループに陥る、
 ついては人も自分も許せなくなる…
 あげたらキリがないかもなぁ。

 講師ががシェアしてくれる
 「やっちまった話」に励まされ、
 自分を許しながらやっています。


Q息子さんもアサーティブトレーニングを受けたんだよね。

Aそうなんです。
 最近、少しアサーティブにふれた息子と
 やりあうことが増えてしまっています。
 「あー、やっちゃった。
 何年かやってんのにこんなもんかって
 思われたかなぁ」などと落ち込みもしますが、
 それも含めてアサーティブだよなって
 自分を励ましながらこれからもやっていきます。


Qあなたにとってアサーティブとは?

A 例えるなら、アサーティブって
 「いつのまにか私の中に降り積もっているもの」
  ってところでしょうか。
 たまにはとけちゃってデロデロにもなるけど、
 染み込んでくるし、また積もってくるでしょう?

 私をアサーティブトレーニングへ
 導いてくれた講師に感謝。
 それから、続ける私を特に気にせず
 ほっといてくれた家族にも感謝だな、
と思えるようになりました。遅いかな(笑)

・・・・・・・・・・

アサーティブを日常に活かしてくれている
女性の振り返りでした。



アサーティブを始めたい方に、
2016年度のアサーティブトレーニングの予定を
お知らせします。
静岡では基礎編を2回、応用編を一回行う予定です。
基礎編は
・8月20日(土)・21日(日)
・12月25日(土)・26日(日)
応用編は
・2017年2月18日(土)〜19日(日)←変更
      2月25日(土)〜26日(日)
    
の予定。


8月の基礎編のお申し込みを開始しました。
こちらまで!→



*このウェブサイトは、
NPO法人アサーティブジャ パン認定講師である谷澤久美子が個人で開いているホームページです。このウェブサイトに関する全ての責任は谷澤久美子にあります。NPO法人アサーティブジャパンが運営・管理しているウェブサイトではありませんので 予めご了承ください






 
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もしも今、

【2016.03.09 Wednesday 17:24
もし、タイムマシンがあって、
昔に戻れたら、
幼い自分にかけたい声って何?

私は、
良い子でいた自分を
思いっきりねぎらいたいと思う。
そのねぎらう言葉は
「良い子だね」
じゃなくって、
宿題を前にしてる幼い自分に
「めんどくさいって思っていいよ」だし、
テストで思ったような点がとれなかった時に、
「次はがんばるとか言わなくってもいいよ。
 ほんと、悔しいよね」だし、
友達にだるがらみされながらニコニコしてる時に
「はらいのけるって方法もあるよ」
みたいな言葉だ。


そんなことを、

「もしも今
 タイムマシンがあったなら
 幼いわたしを
 助けに行くのに」

という短歌を目にして考えた。
(2月3日付毎日新聞
 山形市 岡崎敏子氏作)

同じ短歌を見ても、人によって
思うことはいろいろだろう。

忘れ物が多かったり、集中が長続きしなくって
しょっちゅう「だらしないね」って
怒られていた人は、
「なんとかなるもんだよ」
って声をかけたいかもしれないし、

友達づくりが上手じゃなくって、
「自分から声をかけないと!」と
自分にはっぱかけつつ悩んでた人は、
「その時に友達がいなくてもまったく
 問題ない」かも。

お稽古事が長続きしないで、
「そんなんじゃ、先行き心配だね」
って小言を言われていた人は、
「いざってなると、
 なんとか続くもんだよ。
 その頃のものはみんな、
 あってなかったんだよ」
かもしれない。


ま、とにかく私は、
幼い私に
「良い子であるとかないとかじゃなく、
 あなたはちゃんと愛されてたよ」
という意味のことを言いたいと思う。


そして私はそのことが背景にあることと、
仕事の上で出会う「良い子をやってきた子」
のことがあるから、
「良い子」という言葉に敏感だ。

「良い子」という言葉というより、
「良い子を求めること」や
「良い子を望まれること」や
「良い子を自分自身に課すこと」などに
過剰に反応するかもしれない。

かもしれない、じゃない。
そこに関しては、譲れない思いがある。


だから、
湯川さん(歌詞)つんくさん(作曲)が
作ってクミコさんが歌ってる
「うまれてきてくれてありがとう」
という子守唄は、
全体を通して冷静に聴けば、
多分すごくいい歌なんだろうけど、
出だしの
「きみはいい子です
 きみはいい子です」
を聴いた段階で、
そんなふうに言われて
良い子を続けないとならない子の
苦しみを思ってしまって、
とっても聴けない。



泣きたい時、
ダダこねたい時、
いらいらをぶつけたい時、
大人から愛されるために、
認めてもらうために、
そういうマイナスの気持ちを
なかったことにして、
麻痺させて、
押し込めて、
否定して、

その上で、
にこにこしたり、
元気なふりや、
普通でいたりして、

そのことで
手がかからない「良い子」とほめらるうちに、
それが当たり前になる。
そうせざるを得なくなる。
それしかできなくなる。

常にそうしてきた子が、
ある日、
どうにもこうにもならなくって出す
SOS。

「これ以上無理」っていう、
命からのメッセージ。

学校の中で、
そういう子といっぱい出会ってきたが、
SOSでメッセージを出せた子は、
ある意味幸せだと思う。

命のどこかで、
この家の中では、
今だったら、
出しても大丈夫って
出せたんだと思う。

周りがそのことに気付けば、
修正できて、
育み直すことができる。


「もしも今
 タイムマシンがあったなら
 幼い私を
 助けに行くのに」
の作者の方に、
私は訊いてみたいなあ。

どれほど辛かったか、
どんなに苦しかったか、
SOSを出せずにいたのか、
どのようにがんばって大人になってきたのか、
その幼い自分を
どんなふうに助けてあげたいのか?



小中学校、高校の活動も、
あと一週間で今年度が終わる。

私はSOSを出してもらえる存在だったか?
出してくれたとして、
その背景のメッセージをちゃんと受け取ったか?
もっと他にやれることはなかったか?

軌道修正に寄与できたか?
育ち直しに貢献的だったか?

あ〜足りない足りない足りないよお。
私なりに精一杯だったけど、
まだまだ足りない気がするぞお。​

気がするじゃだめだから
ちゃんとフィードバックする
まとめの時期に入る。






・・・と言いつつ、
カルには良い子を、ついつい求めちゃう私。
















 
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上手な波風。

【2016.03.04 Friday 19:11

1〜3月、
アサーティブを伝える仕事が多い。
ほんとにありがたいことだ。

2月3日付けの毎日新聞
仲畑流万能川柳に
「波風を立てなきゃ何も変わらない
 (八尾 立地Z骨炎)」
とあったが、
「伝える」ことで、
今まで静かだった場に波風を立てること
になってしまう場合もあると思う。

それでも、
この現場を変えないと!
風通しよいチームにしないと!と、
問題解決するために
あえて一石を投じようとする方々。

なんか、
毎回毎回、
私はほんと、
感動した。
参加してくださった方々、
それぞれ、
真摯に自分に向き合い、
相手を理解しようとし、
そして、ふるえながら
「一石」を投じようとされていた。

だからこそ、
その「一石」を、
必要以上の波紋なく投じるための
スキルは必要なんだと思う。


そんな中、
以前、アサーティブトレーニングに参加くださり、
その後もアサーティブを意識して日常に取り入れて
くださってる方からメールがきた。
以下、その方の許可をいただけたので、
掲載しようと思う。

・・・・・・・・・・・・・・
息子の学校外でのサークル活動の指導者が、
保護者会会長ともめてしまい、
突然辞めてしまう事になりました。
大きな会を3月末に残している時です。

私は今も、保護者会会長が指導者を追い詰めて
辞めさせてしまったやり方に納得が出来ません。

ただ、会長の事も私は怖くて、
息子が皆から攻撃されたらどうしようとか、
私も孤立するのが怖くて
はっきりと自分の意見が言えないでいました。
そして、そんな自分を情けなく思う日々でした。

そんな中、保護者会で話し合いがもたれました。
話し合いの前から最中、
ずっと私は
私のやってる事は自分に誠実かな?!
アサーティブにはどう言えばいいかな?
ただ、私が発言した事では
もう何も変わらないのでは?
と考えていました。
一番強いのは恐怖心だったと思います。
反発したと捉えられた人に対しては
大人同士のいじめが酷かったので…。

アサーティブを学んでいなければ
私もこんなには苦しくなかったのかなぁって
思ってしまった瞬間も沢山たくさんありました

最終的に
「指導者が辞めるって事で皆、いいですか?
 何か最後に言いたい人はいませんか?」
って聞かれて、

私はせつなくて苦しくて、
もう決まったなら仕方がないって、
発言はしないでおこうと
言い聞かせようと思ったけれど、

「発言してないのはAさんだけだけど
 何か言わなくていいの?」
って保護者会会長さんに言われて、

よし言おう!
相手も自分も傷つけない言い方で
今の自分の気持ちだけ言おうと思いました。

「私は今は頭が混乱していて
 自分の意見をどう伝えていいか
 わかりません。
 
 息子がこの会に入りたての頃は
 指導者の指導法が私も怖かったです。
 息子に、その都度、大丈夫?!って聞いたら
 大丈夫、っていったから、
 私は見守ろうって思ってました。
 息子は恵まれてたから
 皆さんよりは指導を受ける機会が
 少なかったのかもしれません。
 だから、沢山怒鳴られた人の痛みが
 私は分からないのかもしれません。

 ただ、私は今までの問題の経緯とかを
 息子には全く話していないし、
 息子の前では指導者を批判したこともないから
 突然の、このことを、
 なんて伝えたらいいかまったくわかりません。

 指導者が人を傷付けた事に対しては
 私も人としていけない事だって思います。

 でも大きな会まで
 あと一ヶ月だし、
 親として私はどうしたらいいか
 本当に分からないんです」

泣きながら
寒さと恐怖とに
ほんとにブルブル震え出しちゃって
そこまでしか言えませんでした。

もう、本当にどうすることも出来なかったし
誰も本音は言わずに、
はい、保護者会会長に従います
ってなっていたから
本当に怖かったです。
私の気持ちや、意見をいう必要性が
あったのかどうかも疑問だったですし。

時にはアサーティブでない自分を
選んでもいいっていう権利も
頭に浮かんで
よし、今回はアサーティブでない自分を選ぼう、
いつもいつもアサーティブになんて出来ないよ
って決めてはいました。
でも、そこまでは言えました。

この言動がアサーティブかどうかは分からないし、
私の気持ちが伝わったかも分かりません。
事実、私が発言した事では
本当に何も変わらなかったんです。

でも、1つだけ強く言える事は
アサーティブを学べた事で
今は私、アサーティブかな?!
アサーティブにならどう言えばいい?!
4つの柱使ってるかな?!って
事が時々浮かんできて
じっくり自分に向き合えたり、
一生懸命考えたりできることが
本当に良かったなって思います。

まとまりのない文章ですみません。

4月からは時間が出来るので
今年は講座やカフェに参加をして
上記の出来事についても
上手にアサーティブに伝えるには
どうすれば良かったのかなって
学んでみたいと思っています。

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


アサーティブに生きるってことは、
葛藤をひき受けながら生きていくこと。

Aさんは、恐怖心と戦いながら、
促されたとはいえ、
自分で発言することを選択したこと、
本当に素敵だなと思う。

「自分で選択する」こと。

言わないもいいし、
言うもいい。
どんな言い方するのか、
どこまで言うのか、
自分で決める。
その選択権は自分の中にあるのだけど、
言い方を知らないと、
「言わない」しか選べないことも多くなるし、
あるいは問題解決しなくてはならないなんて時は、
「強く言っちゃおう」
ってことにもなってしまう。

どうせ選択するのなら、
いい波風にしたいなあ。


そして、Aさんのたくさんの素敵な部分の
もうひとつは、
「今は私、アサーティブかな?!
 アサーティブにならどう言えばいい?!
 4つの柱使ってるかな?!って
 事が時々浮かんできて
 じっくり自分に向き合えたり、
 一生懸命考えたりできること」
とフィードバックしてること。
この積み重ねがよりよりコミュニケーションに
繋がっていくと思う。

こうやって、本当の意味で自分を
大切にしているとき、
目の前にいる他者も大切にできる。
指導者の方も、保護者会会長さんも、
保護者会の本音を言わなかった方々も、
それぞれの背景があってのことだと、
しっかりと理解できるんだと思う。

ひとつひとつの出来事と、
こうやって丁寧に向き合っている
Aさんと繋がらせてもらっていることが、
私の誇りだ!


今年度最後のアサーティブカフェは、
3月19日(土)9:15〜16:30。
会場は静岡県教育会館。
自己信頼をテーマに学び合う。
年度末、忙しい中の開催だからこそ、
大切な時間にしたい。
お問合わせ、お申し込みは


来年度も、どうせなら、
上手な波風立てましょう。






さてカルは、
散歩の最後に立ち止まる。
もう少し外にいたいようだ。
私は夕飯の支度をせねば!
利害が一致しない私たちの
コミュニケーションはいかに!

 
author : tanizawa-k
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谷澤 久美子
counselor