出来事に対する態度。 【2015.09.25 Friday 10:19】 |
昨年だったか、一昨年だったか、 アメリカの大学の教授が 「今年小学校に入る全世界の子どもたちの65%が、 将来、いまはまだない仕事につく」と発表した。 矢沢永吉さんの日産のCMを見てると、 夢のまた夢だった全自動運転も、 すぐそこまできてるし、 未来予測のページにいくと、 2030年には 3人に1人が65才以上となり、 医療や介護サービスがニーズに追いつかなくなるらしいし、 2人に1人が退職者とのことなので、 年金システムは今のままだと維持は不可能だ。 2045年シンギュラリティ問題も いろいろなところで目にする。 どうやら人工知能が人間を超えるらしい。 コンピュ−タが自ら課題を見つけ出し、 自ら解決策を考えプログラミングし、 自らどんどん改良していくようになった時、 人間の役割はどうなるのだろう。 私は1960年に生まれた。 ガリ版刷り、 ぽっとんトイレ、 ワープロ レコード・・・ そこから徐々に変化していく社会の中で 年を重ねてきたが、 ここ数年の技術や社会の変化は あまりにも急速だった。 ただ、 これからの10年はもっと急激に 変化していくと思う。 さて、そんな中、 9〜11月には 保護者の方むけの講演や講座などがたくさんある。 変化があることは必然で、 しかも、私たち大人が想像もつかないような社会で 生きていく子どもたちに、 今の大人たちが つけてあげることに貢献できる力があるとしたら、 何だろうか。 「自分で考える力」は 絶対に必要だろう。 指示されたことをそのままやる素直さも大事だが、 本当に必要なのかどうか一旦考える力や、 もっと効率よくするためにはとか、 本当の問題解決のためにやるべきことはなど 考える力も、 バランスよくもっていたいかも。 指示通りに動けることならロボットの方が得意だし、 人件費を押さえるために企業は努力を惜しまない。 また 「みんながやっているから私も」という協調性は なくても生きづらそうだが、 それだけだと相当厳しい世の中になっていくだろう。 それから、 考えたことを相手に伝える力や、 相手の考えを聴く力も必要だ。 働く人口が減ってきたときに もっともっと外国の方は入ってくるだろうから、 文化も、育ってきた環境も、価値観も、宗教観も、 ほんとに違う方々と、コミュニケーションする力は 身につけておいた方が生きていかれる。 (多様性のパワーはラグビー日本代表が証明中だし) ただ、 それらの根底にあって、 普遍的に大切な力は、 「出来事に対してどういう態度をとるか」 ということではないだろうか。 私が今勉強中のロゴセラピーにも そのヒントがある。 すごく理不尽なことが起こったとき、 思いもかけない失敗をしてしまったとき、 突然の辞令、 やったことない仕事の命令、 提案したことが歯牙にもかけられなかったり、 真っ向から反対されたり、 苦手な方と仕事をしなくてはならなくなったり、 差別的な扱いを受けたり、 大切な人との別れ、 大事にしてきた目標をあきらめなくてはならないとき、 そういう事態に、どういう態度でのぞむか? もちろん、 やけっぱちになったり、 ずる賢く動いたり、 逃げ回ったり、 うずくまってじ〜っとしてたり、 そうやってなんとか生き延びることもできる。 それも選択肢ではあるけど、 でも、 この「危機」そして「苦悩」が与えられた意味を考えたり、 その上で、 「危機」や「苦悩」の先にどんな人生を生きたいかの目標に むかって、今日、今、したほうがいいことをすることもまた、 人は選択肢のひとつとして持っている。 このことを、 まずは大人がわかっておくことが必要なのではないか? ロゴセラピーの創始者フランクルは 「苦悩することは人間の能力のひとつ」と言った。 どんな変化が起こっても、 どんな運命があったとしても、 そこで起こるだろう「危機」に対して 「苦悩」したとき、 ごまかさないで、 目を逸らさないで、 とことん苦悩しながら、 自分の目標をみつけ、 それにむかってしたほうがいいことをし続けていく。 そういう態度を、 人は持つことができる。 マララさんはそうされたし、 東北の震災を経験された方々の中にも、 そういう話をたくさん伺った。 事件の被害者の方々が 新しい法律を作ることに貢献されたり、 「危機」の「機」を字のごとく 社会を変えていく「チャンス」にした方は、 いっぱいいらっしゃる。 そのことを、 保護者の方々と、 まずは大人同士で確かめあいたいって、 とってもとっても思う。 で、 じゃあ、確かめあった後に、 保護者の方々向けに、 「実際には どう子どもと向き合ったらいいか」って話をするのが 私の役目なんだけど、 それには、こう応えたい。 「子どもの感情の言語化の手伝いをしよう!」 それが高じて子どもが感情認知できるようになると それは行動を抑制することに繋がっていくことを、 繰り返し繰り返し伝えていきたい。 それは 「いろいろな出来事に対して、 そこから意味をみつけ、 自分のするべきことに結びつけていく」 という態度の前に必要なことだから。 そうやって 自分を客観的にとらえられないと、 外からの変化にも、 自分の中の感情にも、 まきこまれてしまいがちだから。 ってな訳で、 タフな秋に向かっていく。 |
author : tanizawa-k
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