2013年08月の記事 | 今のところではありますが…
ああ、なつかしい。

【2013.08.30 Friday 10:06
朝走り出して楽しみなことのひとつは、
とても柔らかい笑顔のご夫婦に会えること。

走り始めて5㌔くらいのところ、
私は下り始める、彼らは上ってやってくる。

女性が少し前で、男性が少し後を歩いている。
お二人とも、目や口もとだけ笑っているのとは違う
心からの穏やかさを感じる笑顔。

で、今朝、思いきって
「おはようございます」って止まって、
「お二人の笑顔が大好きです」と話しかけた。
女性が
「いやあ、びっくりしたわあ」とおしゃって、
男性は
「がんばって」
と私に言ってくれた。

「はい」と走り出す私。
後ろから
「がんばれ!」って言ってくれてる。
しばらく見ててくれたんだと思う。


最初に会った時から、
なぜか私は彼らに懐かしさを感じてた。

それで、今日その理由が分かった。
後ろからかけてくれた声を聴いて、
あっそうだ、母方の祖母に、
お二人の雰囲気が似ているんだって思った。
お二人の何の邪推もないような、その感じは
私にとっては母方の祖母そのものなんだ。

お正月に泊まりにいくと、
朝起こしてくれる祖母の声は、
「くみこ、お餅いくつ食べる?」だった。
「お母さんに言わなくてもいいからね」
 ってお小遣いをくれた。
私の母(つまり祖母にとっては娘)が亡くなった後、
私の家に泊まって、何週間か、一緒に寝てくれた。
2人でよく泣いた。
その後体調を壊し入院したが、病院に行く前に、
大きなおまんじゅうをニコニコしながら一個食べた。

その祖母とお二人の雰囲気がとっても似ている。

めっちゃ大切にされていた記憶が、蘇ってくる。

今朝は走りながら、そんなことを考えて、
キツいランも「がんばれる、やれる」という感じ。



一般的に
私たちが「懐かしい」という感情を抱く時、
そこには過去の思い出があると思う。
消しゴムで消したいような出来事は、
なつかしく思い出したりしないから、
いい思い出があるんだと思う。
そして、そのことを考えたり、
十分に味わうと、
なんだか温かさで満たされ、
元気になる。
「懐かしい」ってそういう感情だと思う。

人間の感情の中に「懐かしい」という感情があるのは、
多分、
安心できたり元気になる出来事を思い出させ、
「今」を支えてくれるものをすでに持っていることを、
確認させようとする
命の働きのように思う。

「大丈夫だよ!」って背中を押してくれる感情。


今週月曜日、
電車での移動があって、仕事を終え、
駅から自宅に歩いていた時、
踏切の向こうに、
懐かしい顔があった。

私が相談員として最初に活動した学校で
お世話になった先生だ。

ご挨拶をしようと、踏切があいて、
彼がこちらにやってこられたところで
お声かけすると、
偶然にびっくりされていた。

そして、「実は連絡を取りたいと思っていた」
と言ってくださった。
「あげたい本がある」て言ってくださるのだ。

私は、胸がいっぱいになった。
学校の中では、15年前の多分2年くらいの関わりで、
その後は年賀状のやりとりをしていて、
ある時、「あなたはこの本を読んだほうがいい」と
一冊の本を送ってくださって、
私にとってはその本は大きな影響を与えてくれた本となり、
感想をお送りし、
しかし、それっきりになってしまっていた先生。

すごく濃い関わりがあった訳ではないけれど、
でも、私は先生が大好きだし、
先生も私のことを気にかけてくれていることは分かっていて、
そして、
本を処分したいと思われた時、
私の顔を思い浮かべてくださった、
そのことに対する
ものすごく光栄な気持ちがジワーっとくる。

その後、再会を喜ぶ丁寧な手紙をくださり、
私があの踏切の後、
たっぷりの懐かしさで泣きながら歩いていた時、
先生も、「心の中で涙した」って書いてくれてあって、
あ〜こういう感情って、
共鳴しあうんだなあと思った。




中学校は夏休みが終わり通常の活動が始まっている。
小学校も、そろそろ始まる学校と、
来週月曜日から始まる学校とある。


夏休みの終わりにいっぱい感じた懐かしさは、
過去と今を繋いでくれてると思う。

時々忘れてしまう、
大切にしてくれた人のことや、
がんばっていた過去の瞬間を、
私に思い出させ、
今を応援してくれる感情、
「懐かしさ」。


私の頭の中ではユーミンの「青い船で」が
リフレインしている。
♪同じ時を旅している
 たくさんの人のなかに
 なぜか とても 
 ああ なつかしい
 あなたがいてよかった♪

 
さ、なんとか、やっていこう。












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働く女性たち向けの講座のご紹介

【2013.08.27 Tuesday 14:49
こころもからだも、元気いっぱい!
って言い切れるといいけど、
なかなか、そういう状態の時ばかりではありません。

会社からのきつい要求、
応えきれない時は、
つい会社をうらめしく思ったり、
自分の力を情けなく思ったり。

上司に「最近、どう?」って訊かれ、
いっぱいいっぱいなのに
「大丈夫です」って笑顔で
応えてしまったり、
後輩や同僚に回せばいい仕事も、
「自分がやってしまった方が早い」と
背負ってしまう・・・。

パートナーや子どもたちの前で、
ついイライラを爆発させてしまい、
そんな自分を責めてしまう・・・

あ〜働く女性たち。
なかなかしんどい中、
がんばって毎日を送っています。

はりつめた時間を、
ちょっとゆるめ、
さらに、
悪循環をたちきる道具をもちませんか!

二つの講座をお知らせします。



働く女性たち向け(8月28日から募集開始)
◆<働く女性のストレス・マネ−ジメント術>
 〜凹んでも自分で戻すための処方箋〜

あなたは、普段の仕事の中で「本当の自分の気持ち」と
「求められるふるまい方」のギャップにしんどいと思った
ことはありませんか?お客様や会社の要求に対して、
理不尽さを感じながらも平静を装い、好感度を保つために
頑張りすぎていませんか?この講座では、心が傷ついた時に、
従来あなたが持っている「明るさ」や「気合い」で乗り切る
だけではなく、新しい「行動の方法」や「考え方」を
知ることによって、心の凹みを回復していく方法を学びます。

第一回 ストレスをマネージメントする 
    11月16日(土)
第二回 感情とのつきあい方を学ぶ
    12月7日(土) 
第三回 自分を肯定する力を取り戻す
    2014年2月1日(土)
*全て時間は13:30〜16:30
 会場は静岡県教育会館
 講師は谷澤久美子

□参加条件:強いストレス、プレッシャーを受ける
 仕事をしている女性(接客業・営業職・看護職
 介護職・教員・個人経営者等)
□募集人員:30名(全回参加できる方優先)
□参加費:各回2000円

 尚、谷澤相談室の勉強会に参加された方、
 参加予定の方は、内容が重なりますので、
 お申し込みをご遠慮ください。

お申し込み、お問い合わせは 




アサーティブを体験してみよう(募集開始しています)
◆<自分の力で輝く!働き女子のしごと塾>
 〜10年後は、今が創る!〜
全5回の中の2回目
<爆発させず、ためこまない!
 〜コミュニケーション力を改善しよう〜>
11月9日(土)13:30〜17:00
B-nest演習室4(ペガサート5階)
定員30名 受講料:無料






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「私には知らないことがある」と自覚的になる。

【2013.08.23 Friday 19:41

お盆明けからまた、
学校の先生方への研修や
先生方との打ち合わせなどを行っている。

私は、
アサーティブを学んできてよかったと思うことが、
学校の活動の中でも多くある。
たとえば、
ある子どもへの支援方法に関して、
考え方や方法論が真逆系の先生と話す時、
以前だったら頭の中で、
「そんなふうにしか考えられないから
 うまくいかないんだよ!」
とか、
「そんな甘いこと言ってて、
 救えないよ」
とか、
結構罵倒しながら(もちろん頭の中で)、
そしてそれは上手に隠しているつもりになって、
その上で、
めやくちゃ表面的な話をして、
結局お互い、お互いの方法をする・・・
なんてこともあったと思う。
(あ〜本当に、申し訳ない)

アサーティブを深めていくと、
相手にも相手の背景があるってことに、
めちゃくちゃ意識的になる。
「そんなふうにしか考えられないから
 うまくいかないんだよ」
の代わりに、
「先生がそう考えることの材料、
 私がしらない情報があるかもしれない」
と考えたり、
「そんな甘いこと言ってて、
 救えないよ」
の代わりに、
「先生側からみると、この問題は、
 どんなふうに見えているのか、
 そこんとこ、私は知らない」
と考えたりするようになっている。

そうすると、私の知らない部分を補いたくなり、
その先生の話が聴きたくなる。
聴いているうちに、
お互い、別々の情報をもっていることがわかったり、
意外に目標は共通だったりして、
重なり合えるところの面積を、
少しずつ大きくしていくことができたりする。

自分が正しいか、それとも相手が正しいかの
土俵から下りて、
考えや方法論、価値観が違う人同士が、
チームとなって、第三の道をみつけられる瞬間は増えて、
アサーティブって、やっぱりいいなあと思うのだ。


これはプライベートでも、なかなかよい。



人間、いつも機嫌良くいられる訳ではなく、
相当人間ができている家人も、
ぶす〜っとしているようにみえる時がある。
(多分、本人はそんなつもりはないと思う)

そういうことがあると、私は昔は耐えられなくて、
私も不機嫌で対抗したり、
機嫌を直してもらおうと、
猫なで声チックなこともしてみたりした。
なんで、そんなに不機嫌なの!と
キレてみたこともあった。

完全にムダな抵抗だ。

最近は、
「彼の今日の一日を私は知らない」ってことを
ちゃんと自覚するってことをする。

もしかすると、お客さんとの間で、
考えがすれ違うことがあったのかもしれないし、
もしかすると、取引業者の方に
いい加減な仕事をされちゃったのかもしれない。
もしかすると、
もうすぐ一周忌で、バーニーのことで
頭がいっぱいなのかもしれない。
何があったかわからないが、
彼がそうせざるをえない背景が
きっとあって、
私はそれを知らないのだ。

そうすると、
不機嫌もありか・・・
となったりするのだ。



私は、悲しいけど、
思い込むことがある。
全部を知らないのに、
知ってる気になったりすることもある。
情けないけど、
私の事情や、私の考えの方が、意味があると
考えてしまいがちな時もある。
そんな時もあるのが人間だから、
私はアサーティブを使う。
「自分には知らないことがある」って分かって、
話し合う。


さて、明日明後日は、
アサーティブトレーニング基礎編を実施。
今回も20名の方との出会いがある。

多分、
すごく
楽しくなると思う。

緊張するけど、
緊張するのは、
このトレーニングの場が、
私にとっては大切だからこそ。

さて、もうちょっと準備しよう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次の静岡での基礎編の開催は・・・


静岡で学べる
◆アサーティブ・トレーニング基礎編 

<開催日時など>
・ 日時:12月21日(土)9時半〜16時半 
        22日(日)9時半〜16時半
・ 会場:静岡県教育会館 中会議室
    (静岡市葵区駿府町1−12 054−252−1011)
・ 定員:20名(二日間参加できる方/先着順) 
・受講料:20000円(テキスト代込み)
・ 主催:谷澤相談室 http:ktanizawa.exblog.jp
*6名お集りいただけると、開催いたします。

<申し込み方法>
 FAXかメールで、以下を記入の上申し込みください。
① 氏名 ②住所(〒も) ③電話番号
④詳細をお送りする時のご希望の連絡方法(電話/携帯電話/FAX/メールなど)
*もしよろしければ、受講の動機を教えてください。

FAX:054-348-0435
メール:kumikotanizawa@gmail.com



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朝ラン。

【2013.08.22 Thursday 13:21
 今までは走る時は夕方だったけど、
朝5時から走るってのを始めて、今日で5日。

昨日、走り終わった後、なんだかカラダがキツくて、
明日は走れないかも・・・と思った。
心のどこかで、4日続けて7〜8㌔ずつ走って、
私ってエラいじゃんと、自分をほめた。
それで、「だから一日筋肉を休ませてやろうか」と、
ちょっと思ったりした。

でたでた、私の甘やかし癖。
がんばったからよし!としてしまう癖。
その癖もかわいいけれど、
そればっかりでは、何事も続かない。
そういう時にはやった方がいいことがあって、
それは、なぜ走るのか、理由を考えることだ。

ランの理由。
①秋に大会に出たいから。
②2年前のめちゃ締まっていた時のからだまで
絞りたいから。

これに向かっている時に、
4日がんばって走ったからいいって、
どういうこと?私。

と、ここまで考えておいて寝た。

今朝4時45分に起床。
なんだか胃が重い。
昨夜夕飯が9時30分すぎになってしまったからか。
ストレッチするが、なんだか
めちゃくちゃ重い感じのからだ。

でも、この重い感じで、
とりあえず走り出したのは、
「自分をほめる」でやめておかないで、
「なぜ」を考えておいたからだと思う。

コミュニケーションの講座では、
「結果だけはなく、
プロセスに注目しよう」とか、
子育て講座でも、
「できた時に喜ぶのもいいけど、
やっている最中に注目しよう」とか、
「現状を認めて、
 目標に向かって、今必要なことしよう」とか、
そんな話をするのに、
自分のこととなると、
結果(4日走った)に視点がいってしまって、
目標に向かっている過程を無視して
しまうのは、
言ってることと、やってることが
違ってしまうじゃん。

結局今日は6㌔くらいのランで、
しかもあまりの足の重さに、
途中なんどか歩いたけれど、
でも、私の朝ランは5日続いた。

さて、明日から4日連続、
講座、講演が続く。
明日は、お昼の講座なので、
朝ラン可能。
土日は朝から一日だし、
月曜も朝早くから遠出なので無理かな。
よし、3日休み、
そして火曜からまたがんばろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、私の大好きなカウンセラー山本麗子さんが
理事長の
NPO法人こころのケアグループさんから
勉強会のお知らせが届きました。

以下、お読みください。

9月は夢について学びます。
お申込みご希望の方はお早めにご連絡ください。
私たちの夢は、自分のこころを理解する
よいツールにもなると言われています。
東京から山根はるみ先生をお招きして、
私達が眠っているときに見る
「夢」についてのお話です。
自分の夢を描いてみるワークもある、
深〜くて楽しい会です。
  9月8日(日)13:30開場16:30終了
 静岡市番町市民活動センター2階大会議室
 定員:60名 
 持ち物:クレヨンと下敷きになるもの(A4)
 参加費:一般3000円 
 賛助会員1500円 
 正会員無料
 お申し込みは、
「お名前、お電話番号」をmail@cocorocare.org へ送信か、
 ファックス054-289-1580まで

 詳しくは、HPをご覧ください。











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「マリーゴールドホテルで会いましょう」「人生、ブラボー!」

【2013.08.20 Tuesday 17:43

「マリーゴールドホテルで会いましょう」
という映画の中で、
ホテルの支配人の男性が
「最後は大団円」
としょっちゅう口にする。
すべては丸く納まるというインドの諺として
紹介されているが、
私がコレを気に入ってしまったのは、
上手くいっていない時の、
この諺の使い方だ。

「最後は大団円のはずだから、
 今はまだ途中」

なんか、そう考えると、
よし、まだまだいけるか、大丈夫って気になる。

チームビルディングを学んだ時、
チームの成長の段階は4つと教わった。
形成期→混乱期→標準機→達成期。
上手くいかない状態は「混乱期」であるってことで、
それは、形成期から一歩進んだ証拠でもあるし、
また発達段階の途中でもあり、
その時だからやれること、
やった方がいいことがあることを
教えてもらった。

どんなに混乱していても、
まだ途中だし、
まだやることがあるって分かること、
これは、すごく素敵だと思う。



「人生、ブラボー!」は、
精子提供をした男性が、20年くらいたって、
彼の精子から533人の人が生まれていて、
そのうちの150人くらいから「父親に会いたい」と、
提訴されるという喜劇。

彼らが一致団結、協力して父親を探そうと
するところが、本当におもしろい。


弁護士から集団訴訟を起こした
一人一人のプロフィールをもらい、
ためらいながらも、
名乗らずに様子を見に行く主人公。

彼の精子は、
プロのサッカー選手になっていたり、
路上でギターを演奏していたり、
薬物依存から立ち直ろうとしていたり、
バーテンダーをバイトでやりながら、
役者をめざしていたり、
思い病を抱えていたりと、
いろいろな大人になっていた。

彼らの人生に名乗りはしないが関わることで、
それまでは自堕落で、なんとか楽してお金を
得ようと考えていた主人公が、
ちょっとずつ変わっていくところが素敵。

人間って、
自分のためだけだときかない踏ん張りが、
自分の大切な人たちのためだと、
なんだか、きかせてしまったりできるんだよなあ。

結局彼は、名乗ることを決める。
損得ではなしに、
そうした方が人として正しいという方を
選択できた後、
とってもすがすがしいし、
自信に満ちた表情だった。



お盆の休みに、
だらだらしながら見た映画。
両方ともおもしろかった。















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見逃さないように!

【2013.08.17 Saturday 08:48
 

高野山 金剛峯寺に行ってきた。

お寺の中に入ると、
お茶とお菓子をふるまってもらえ、

それらをいただきながら、
法話を聴くことができた。

この日の担当は浅田慈照 布教師。
このお話が、とってもよかった。

彼女は、仏教の修行に入る前から
「もっといい人間になりたい」と
思っていた。
特に自分は口が悪いと思ってた。
自分の口から出てくる言葉が強くていやだったし、
おしゃべりなところもほんとにイヤだった。
たとえばある日、目の前で
若い女性が転んだことがあった。
その時最初に出た言葉が
「あら、コケはった」。
大丈夫ですかでも、おけがありませんかでもなく、
「あらコケはった」と言ったそうだ。
その女性は真っ赤な顔して立ち上がり、
その場から去った。
そういう自分を恥じて、
「その口を直していい人間になりたい」って
思ってたのだそうだ。

ところが、修行で出会った師匠が、
「そのままのあなたでいい。
 その口を活かせることがみつかる」
と言ってくれたのだそうだ。

いくつかの仏教は、
どう生きたかで、
亡くなった後仏様になれるという教え。
しかし、空海が伝えた真言密教は
「すでに、あなたそのものが仏。
 あなたがその姿なのは、意味がある。
 あなたの中にある小さな仏を、
 大きくしていけばいい」
というもの。(↑あやふやだけど、
 内容はあっていると思う)

彼女は、強い言葉を吐くおしゃべりな口も、
何か意味があって自分に与えられたものだと考え、
「いやだいやだというのも、口。
 大日如来を語るもの口。
 大日如来を語っていこう」
おしゃべりで強い言葉を吐く口を直してから
いい人間になるのではなく、
その口を活かして、
自分の中の小さな仏を大きくしていこうと
考えたそうだ。

それで、今では、
真言宗の学校の先生となり、
そして、こうして布教師を勤めている。

あの時、転んだ女性に、
恥ずかしい思いをさせてしまったことは
本当に申し訳ないことだけど、
あのコトがスタートになって、
自分に大切なことを気がつかせてくれた。


この法話自体が、私は大好き。


「そのままの自分でOKで、
 そのままの自分で今やれることを積み重ねていく」

という考えは、私の基本。


そのことを、高野山で聴けたことが、
めちゃ嬉しかった。


しかも、彼女のスピーチ方法が勉強になった。

「○分話します」と最初に断ってくれたので、
見通しがもてる。
笑いがいっぱいあって、一瞬も退屈させない。
自分の失敗話もしてくれるので、法話がぐっと身近に。
最後は、ちょっとほろっとさせられ、
「よし!私もやろう」というやる気が起こる展開。
拍手が起こった後、
「嬉しいけど、関西人の私は、
 拍手があると、また話したくなる。
 ○分しゃべります。
 でも、もういいって方は、席をたってもらっても、
 私は落ち込みません」と。
笑いを入れながら、アンコールに期待をもたせる。
さらに深い話に進む。

お見事だったなあ。




翌日熊野の本宮をお参りした。

歩きにくいじゃり道と長い石の階段を登る間に、
お願い事を整えるように看板に書かれている。

静かに歩きながら3つにしぼる。
「家族が幸せであるように」
「かかわる方々が、
 『そのままの自分がいい。
 そのままの自分で今必要があることを
 していこう』と行動に繋がるような
 アドバイスができるように」
「自分が幸せを見逃さないように」

本宮での4カ所、
速玉神社でも、
同じお願い事を、
繰り返ししてきた。

ちゃんと、二礼 二拍手 祈り 一礼
ってやってきた。



時々、調子に乗って、
時々、いい気になる私。
もしかしたら、
誰かが私を想ってしてくれたことや、
すっごいラッキーを
当たり前にしてしまい、
心に止めないことがあったかもしれない。
これからも、うっかりしちゃうこと、
あるかもしれない。
そうじゃくて、
ちゃんと、
いろいろな幸せを見逃さない、
そんな力がほしいよ。



今回も、
長いドライブの道中、
キャロル・キングや、エリッック・クラプトンや、
ユーミンや、ジミー・クリフや、ビリー・ジョエルや、
サイモンとガーファンクルが、助けてくれた。
スマホの充電をカフェで助けてもらった。
龍神温泉のお風呂がとろとろで、めちゃいいお湯だった。
5㌔くらいランできたのは雨が降らなかったおかげ。
お昼にめはり寿司をいただいた。忙しかったようで
できるまで30分くらいかかったが、その間、
全部手づくりのひとつひとつの行程を見ることできて、
なんだか味わい深かった。

旅先でも、講座の申し込みのお返事を送信できたのは、
スマホのおかげ。

帰りはめちゃ込み。渋滞にはまっても、
追突もされず、無茶な横入りをする車もなく、
無事に帰ってくることができた。

何より、
家族が元気でいてくれているから、
行くことができた。



あ〜一瞬一瞬を丁寧に思い出すけど、
忘れちゃってる幸せがあるんだろうな。
見逃したくないなあ。




そして、
夏休みが終わっていく。




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小さな合図。

【2013.08.14 Wednesday 20:37
外国に住む友人からの質問に答えて、
日本の子どもたちの様子のようなものを
メールに書こうとしたとき、
「オレという着ぐるみを着て出社する」
という、
ずっと前に毎日新聞の仲畑流万能川柳に
選ばれていた川柳を思いだした。

この作者の方は、
○○課長か、○○チームリーダーか、
肩書きは分からないけれど、
会社にいくと会社の顔ってのがあって、
それをがんばってやるのだと思う。
単なる○○課長という肩書きの着ぐるみではなく、
きっと「頼りになる」とか、
「親しまれている」とか、
そういう作り込んだ着ぐるみかもしれないな。

そしてきっと、
仕事を終えて、
自宅のある町の電車の駅を出たあたりで、
その着ぐるみをぬぐのかな?

ぬげたら楽だろうけど、
また
厳格な父親という着ぐるみや、
あるいはいい夫という着ぐるみを着るとしたら、
どうなんだろう。
時々しんどくなるかも。
リラックスできる場がほしくなるだろうなあ。


・・・というような状態が、
子どもたちにもあるなあと思ったんだ。


小学校5〜中学生は、
自分の居場所作りで必死だと思う。
「ぼっち」だけは勘弁してって、
思っている様子が痛いほど分かる。

だから、一度所属したグループの中に、
それが居心地が悪かろうがなんだろうが、
とにかくそこにいるってことを優先順位の
一位にしている場合もある。

その仲間たちが、
少し意地悪なふるまいをする子たちだとすると、
「ちょっと意地悪な」着ぐるみをきて、
がんばってそれをやったりするんだろう。
優しさが心の中にいっぱいある子は、
相当辛いと思う。

家に帰ってぬげればいいけど、
また違う着ぐるみを着ないとならないと、
たとえば「いいこちゃん」着ぐるみみたいなもの、
そしたら、
結構しんどいと思う。

親は、着ぐるみ着せようなんて、
これっぽっちも思ってないと思う。
それでも、子どもは親に愛されていたいから、
親が積極的な子が好きそうなら、
できればそうなりたい・・・なんて
自分に課して、そういう着ぐるみを
着るかもしれない。


暑っくるしいだろうな。
ぬげたら楽だろうけど、
子どもは、ぬいでしまったら
グループにいられないかもとか、
親に愛されないかもとか、
いろいろ考えてぬげないでいることも
あると思う。


そういう子どもたちに、
「苦しくない?」って訊いても、
「普通」って言う。
「ありのままのあなたでいいんだよ」って言っても、
「そんなの大人だから言えるんだよ。マジ無理」
って言う。
「いやならいやって言っていいんだよ」ってアドバイスすると、
「そう言って、はぶかれたらどうするの!」
って二度と相談に来ないと思う。



だからせめて、
「小さな合図だけは大切にして」
って言い続けるしかない。

「自分はそんなこと感じていない」と
たとえ頭で考えても、
感情は、不快な感覚や、汗や、
いろいろな方法でからだに小さな合図を
送ってくれる。


合図を受け取ったら、

腹が立った
苦しい
いらいらする
心配
不安
困る

頭の中でつぶやいてみよう。


感情が送ってくる小さな合図を無視をして、
過度に周りに合わせることばかりだと、
最初は、それを選択してやっていたとしても、
そのうちそれが当たり前になってしまうことがある。


勤め先も、
学校も、
家庭も、
その他のいろいろな場所も、
時々は着ぐるみ着ないとならないかもしれないけど、
着っぱなしではなく、
どこかで脱げる場があるといいな。

そうしたら、みんながちょっとずつ
生きやすくなるのになあ。








author : tanizawa-k
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未来への郷愁

【2013.08.12 Monday 11:28
ずっと前、
NHK「旅のチカラ」で、
ポルトガルでファドを歌う小野リサさんの回を見て、
その中で出てきた
「サウダージ」という言葉が気になった件を書いた。

その番組内では、
「未来への郷愁」と訳されていた。

郷愁って過去に対するものではないか?と
私は混乱した。

大学の同級生がそれを読んで、
「もうどうしても手に入らないものがあることを
 わかってしまった時の、
 それに対する感情のようなものではないか」
のようなことをアドバイスしてくれて、
それは言葉の意味としては分かったが、
実感というか、
どういう心の有り様なのかは分からず、
こうなったら分かったような気にならず、
ちゃんと置いとこうと頭の中においといた。


8月に入って、
「愛されあれば」と「25年目の管弦四重奏」という
映画を見た。
前者は、一言でいうと大人の恋愛の話で、
後者は、ものすごく複雑な事情を抱えながら、
昨日までの積み重ねを大事にしていくことを
選んだ大人たちの物語だった。

多分、この2本の映画と、
今月が私の誕生月ってことと、
そんなことが重なってだと思うけど、
来し方と
行く末を、
なんとなくね、
ほんとに、なんとなくだけど、
考えた。


その途中で、急にサウダージの意味が
なんだか実感を伴ってやってきた気がする。


私はもうすぐ53歳になるが、
もうどうしても手に入らないものがある。


もうどうしても手に入らないもの。
たとえば、子どもだ。

子どもを持てなかった人生を思う。
このことはずっと昔に整理つけているはずなのに、
時ったま、チクッと痛く思う時がある。
でもそれは鋭い痛みではなく、
バーニー(ああ!一周忌です)に
甘噛みされているような感じのところが、
辛さとは違う。

私は夫のことが、本当に大好きで、
そしてとっても尊敬していて、
なのに、彼に、子どものいる人生を
味あわせてあげられなかった
(この言い方はちょっと横柄だけど)、
そのこと。
自分が母親になれなかったことは、
始末がつくが、
彼への気持ち、
申し訳なさを伴ったせつなさ。

この、どうしても、
もう手に入らないと分かってしまったモノやコトと、
静かに折り合いをつけていく感じ。
これがサウダージなのではないか。


それからもうひとつ、
誰かと比べて落ち込むことは、
もうまったくやらなくなったことだけど、
それでも、
どなたかが、家業の商売を引き継いで、
張り切ったり悩んだり、
後悔したり勇気だしたり
している様子を見たり聴いたり読んだりすると、
相当考えて選択したことだけど、
廃業を選んだ事で失ったことも考える。

これは「25年めの管弦四重奏」の影響だと思う。

もちろん、
今の自分の充実した仕事のことを思うと、
廃業したからこそ手に入れたもので、
大満足なんだけど、
決められた枠の中で
継続させるという困難を選んだら
どうがんばっていたのかという
そういう自分も見てみたかったという
静かな感傷。
それも、サウダージのように思う。


「愛されあれば」に触発されて、
告白をしなかった片思いのことも考える。
(もちろん、夫と出会う前ね!)
今までも、
どうにかしようと思ったことなどないけれど、
一ヶ月たつとちゃんと生え際がやばくなる髪と、
走ってもちゃんとついてる贅肉と、
ちゃんと進んでる老眼を確認しながら、
さすがにもうどうにもならないと確信に至った途端に、
静かに胸の中にひたひたっとくるもの。

それもサウダージか。


思えば、
して失敗した後悔は、
直後は大きいけれど、
時とともに小さくなり、
だけど、
しなかった後悔は、
別の可能性への想いで、
時がたつにつれて大きくなっている場合もあるようで、
しかしそれももう、
さすがにもう、
想像することのむなしさに、
静かに後悔からも下りる感じ。

それがサウダージかも。




とはいえ、まだ53歳。
何もかもあきらめているつもりは
まったくないんだよ。
したいこと、した方がいいこと、
山ほどアイディアはある。
スタートしたこともあるし、
新しい挑戦も決まっている。

でも、
もう、
どうしようもないものはあるって、
はっきり分かっている、この感じ。

あ〜、
この感じは、
今までのどの時ももったことのない感情だ。

こんなふうに、これから先の人生の中でも、
感じたことのない新しい感情を感じるんだろうか。
それはそれで、
くすぐったくて、
楽しみなんである。

ほんとのところ、
今のこの年代は、
なかなか味わい深い。



そういうことも味わえることを含めて
サウダージのような気がする。










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「そうだよね」って、つぶやいてみる。

【2013.08.11 Sunday 17:21
夏休み前半の教員対象の
研修の講師の仕事が終わった。

テーマをカテゴライズすると、
「アサーティブ」
「子どもとの関わり方を、カウンセリングの視点で」
「保護者との信頼関係構築の方法」
「子どもたちのかかわる力を育むために教師ができること」
など。

どの研修も
座学ではなくワークショップ形式で行った。
そして、どの研修も、最初は、自分の普段の
自分のやり方を振り返ってもらう。

テーマによって、振り返る視点は違うし、
振り返る方法も違う。
でも、どっちにしても「振り返る」ってところ
から入るのは、

受講してくれた方に
変わってほしいのではなく、
自分自身の使い方がうまくなってほしいからだ。

自分自身の使い方がうまくなるには、
自分のことを振り返り
→受け入れて
→新しいやり方を知り、できるようになる
→新しいやり方も道具にひとつになる
って行程があると思う。



教員の方々は、
お一人お一人子どもに教えるプロで、
お一人お一人、
自分のやり方や自分の考え、教育観、
それを裏付ける経験など、
豊かに持ってらっしゃる。
それは大事にした上で、
もし、うまくいってないことがあれば、
違う方法も使えるようになっておいた方が、
もっと仕事の質が上がると思うんだ。

ま、とにかく、最初に
「振り返る」ことをやってもらったが、
「振り返る」とは、
「自分の欠点やできないことを明確にして反省する」って
ことではない。

振り返る≠反省する

じゃ、何をするかっていうと、
テーマに沿った視点で考えた自分のことを、
良い悪いという判断をしないで、
一旦「そうだよね」ってつぶやいてみる
くらいの感じをやってみるんだ。

たとえば私の場合、
以前は、
「ノーといえない」に対して
「そうだよね」だった。

「批判を全否定されたととらえて、
 めっちゃ落ち込む」に
「そうだよね」だった。

教員研修の中で、
コミュニケーションのゲームを通して、
あるいは、ペアでのワークを通して、
多くの方が、自分の今までとってきた方法を
振り返ってくれていた。

たとえば、
「子どもの良い行動を
 言葉で価値づけるのが
 下手だった」に
「そうだよね」って方もいたし、

「保護者とのやり取りでは、
 常にアドバイスになっていた」に
「そうだよね」って方もいたと思う。

それを認識できることがOKだ。


前述したように、注意事項がある。
自分のこれまでの事実を認識することと、
「そうだよね」の間に、
やってしまいがちなことがある。
それは、
「だから自分って駄目」と
自分を責めたり、
また、
「仕方ないじゃん」と
開き直ったりすることだ。
そうではなく、
事実に対して、
ただ「そうだよね」と認めることが大切で、
そのことを「受け入れる」と私は言っている。

実は、それだけでも十分だと、
ちょっとだけ思う。

振り返り
判断しないで、
「そうだよね」と現実を受け入れる
 =受け入れる

判断しないで
「そうだよね」と受け入れるのは
長所も成功も、欠点も失敗もだ。

欠点や失敗を
「そういうとこ、あるよね」
とか、
「失敗したよね」
とか、
つまり
「そうだよね」と
自分で自分に言葉をかけるように
受け入れると、
多分、すごく楽になると思う。

このプロセスをすっとばすと、
なかなか先に進みにくい。

ただ、難しいことなので、
ひとつ、コツを書いてみよう。

それは、
欠点・失敗≠自分
って何度も確認しとくこと。

だってね、100%完璧な人もいない代わりに、
100%欠点の人も
失敗だけの人生の人も会ったことがない。

自分のこと、「だめなヤツ」って思ってしまうこと、
人間だから、そういうこともあるかもしれないけど、
「今はそう思ってる」くらいに
とどめておいてほしいな。

欠点があり、失敗したからっていって、
だから自分が100%駄目じゃないって
まずは認めて、
だけど、
事実として欠点や失敗を、
「確かにそうでした」と認める感じ。

これがあって初めて、新しいあり方が
はいっていく隙間ができる。
入っていく隙間ができれば、
あとは練習。



あ〜もっと分かりやすく書きたいなあ。
でも、これが今のところの私の力。




これまでの研修では
振り返り,受け入れることから始まるってことを、
言葉では説明しなかったのだけど、
研修の中で感じてもらえるよう、
がんばってみた。

お盆の休みが終わると、
夏休み後半の研修が始まる。
今度は言葉で説明してみようと思う。

やってみる。





 
author : tanizawa-k
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失敗の可能性。

【2013.08.09 Friday 16:47
昨日は走ろうかなと考えた瞬間に、
聞いたことがない音がなり、
携帯が緊急地震速報を教えてくれた。

すぐにTVをつけて確かめ、
横になっていた義父を起こして、
心の準備をしてもらい、
しばらく様子をみる。

結果的に、誤報だったけど、
私にとってはいい練習になった。

以前読んだ本の中に
「『失敗を回避する』ことは
 『行動を回避する』ことである。
 だとしたらそれは
 『成功の可能性を回避する』
 ことになってしまう」
とあった。

気象庁は失敗に対して謝罪の会見を開いた。
迷惑を被った方もいるだろう、
責任ある対応したのだと思うが、
私はこういう次に繋がる失敗は、
歓迎!って思った。

しかも、ちょっと安心した。
いざって時は、
こんなふうに教えてもらえる可能性があるんだ!
って分かったことが、ラッキーだ。

私の住んでいる清水区は
緊急速報が町内放送で流れなかった。
TVやラジオをつけていない方で、
携帯を持ってない方は、
実際の時には困っただろうと思う。

いろいろな場で
シュミレーションすることが
できたんじゃないか。


ひるがえって、私のこと。

秋以降から来年度の仕事が決まってきている。
その中には、今までやったことのない、
新しいタイプの仕事がある。
どんなふうになってしまうのか
予想もつかない。
でも、
失敗の可能性を考えて、行動しないってことを、
私は選ばなかった。

やってみようと思う。


失敗の可能性を考える時、
心の中に浮かぶのは、
不安という感情だ。

不安という感情は、
「将来の危険を教えようとして」生まれる感情と、
「困難を乗り越える力」という本の中にある。
「感情を否定したり、無視したりすると、
 『知らせているのに、きちんとメッセージが
 届いていないようだ。もっとしっかり知らせないと』
 と。その感情はますます攻撃的に訴えてくるのである」
感情は生理現象。命を守るためのからだの働き。
からだは、感情を使って人に危険を教え、
認識したのを確認するまで刺激し続ける。
しかし、
「不安」という感情のメッセージをちゃんと受け取れば
おさまっていくのだ。



不安という感情を認めながら、
失敗の可能性もあることを知りつつ、
それでも行動していくこと。

私も、それを選択していく。


気象庁も失敗しながら、
より役にたつシステムを開発していってほしいな。










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谷澤 久美子
counselor