ああ、なつかしい。 【2013.08.30 Friday 10:06】 |
朝走り出して楽しみなことのひとつは、 とても柔らかい笑顔のご夫婦に会えること。 走り始めて5㌔くらいのところ、 私は下り始める、彼らは上ってやってくる。 女性が少し前で、男性が少し後を歩いている。 お二人とも、目や口もとだけ笑っているのとは違う 心からの穏やかさを感じる笑顔。 で、今朝、思いきって 「おはようございます」って止まって、 「お二人の笑顔が大好きです」と話しかけた。 女性が 「いやあ、びっくりしたわあ」とおしゃって、 男性は 「がんばって」 と私に言ってくれた。 「はい」と走り出す私。 後ろから 「がんばれ!」って言ってくれてる。 しばらく見ててくれたんだと思う。 最初に会った時から、 なぜか私は彼らに懐かしさを感じてた。 それで、今日その理由が分かった。 後ろからかけてくれた声を聴いて、 あっそうだ、母方の祖母に、 お二人の雰囲気が似ているんだって思った。 お二人の何の邪推もないような、その感じは 私にとっては母方の祖母そのものなんだ。 お正月に泊まりにいくと、 朝起こしてくれる祖母の声は、 「くみこ、お餅いくつ食べる?」だった。 「お母さんに言わなくてもいいからね」 ってお小遣いをくれた。 私の母(つまり祖母にとっては娘)が亡くなった後、 私の家に泊まって、何週間か、一緒に寝てくれた。 2人でよく泣いた。 その後体調を壊し入院したが、病院に行く前に、 大きなおまんじゅうをニコニコしながら一個食べた。 その祖母とお二人の雰囲気がとっても似ている。 めっちゃ大切にされていた記憶が、蘇ってくる。 今朝は走りながら、そんなことを考えて、 キツいランも「がんばれる、やれる」という感じ。 一般的に 私たちが「懐かしい」という感情を抱く時、 そこには過去の思い出があると思う。 消しゴムで消したいような出来事は、 なつかしく思い出したりしないから、 いい思い出があるんだと思う。 そして、そのことを考えたり、 十分に味わうと、 なんだか温かさで満たされ、 元気になる。 「懐かしい」ってそういう感情だと思う。 人間の感情の中に「懐かしい」という感情があるのは、 多分、 安心できたり元気になる出来事を思い出させ、 「今」を支えてくれるものをすでに持っていることを、 確認させようとする 命の働きのように思う。 「大丈夫だよ!」って背中を押してくれる感情。 今週月曜日、 電車での移動があって、仕事を終え、 駅から自宅に歩いていた時、 踏切の向こうに、 懐かしい顔があった。 私が相談員として最初に活動した学校で お世話になった先生だ。 ご挨拶をしようと、踏切があいて、 彼がこちらにやってこられたところで お声かけすると、 偶然にびっくりされていた。 そして、「実は連絡を取りたいと思っていた」 と言ってくださった。 「あげたい本がある」て言ってくださるのだ。 私は、胸がいっぱいになった。 学校の中では、15年前の多分2年くらいの関わりで、 その後は年賀状のやりとりをしていて、 ある時、「あなたはこの本を読んだほうがいい」と 一冊の本を送ってくださって、 私にとってはその本は大きな影響を与えてくれた本となり、 感想をお送りし、 しかし、それっきりになってしまっていた先生。 すごく濃い関わりがあった訳ではないけれど、 でも、私は先生が大好きだし、 先生も私のことを気にかけてくれていることは分かっていて、 そして、 本を処分したいと思われた時、 私の顔を思い浮かべてくださった、 そのことに対する ものすごく光栄な気持ちがジワーっとくる。 その後、再会を喜ぶ丁寧な手紙をくださり、 私があの踏切の後、 たっぷりの懐かしさで泣きながら歩いていた時、 先生も、「心の中で涙した」って書いてくれてあって、 あ〜こういう感情って、 共鳴しあうんだなあと思った。 中学校は夏休みが終わり通常の活動が始まっている。 小学校も、そろそろ始まる学校と、 来週月曜日から始まる学校とある。 夏休みの終わりにいっぱい感じた懐かしさは、 過去と今を繋いでくれてると思う。 時々忘れてしまう、 大切にしてくれた人のことや、 がんばっていた過去の瞬間を、 私に思い出させ、 今を応援してくれる感情、 「懐かしさ」。 私の頭の中ではユーミンの「青い船で」が リフレインしている。 ♪同じ時を旅している たくさんの人のなかに なぜか とても ああ なつかしい あなたがいてよかった♪ さ、なんとか、やっていこう。 |
author : tanizawa-k
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