バーニーと散歩していると、
小学生の女の子が一人で下を向きながら歩いている。
上履きをもっていたので、
「こんにちは!
今日は金曜日だから上履き
もって帰るんだね」
と声をかけると、
「そうだよ。
でも今日はおばあちゃんちで
アバターみるから、
おばあちゃんちにいくんだけどね」
と言う。
「ふーん。おばあちゃんちで
アバター見るんだ。
それはいいねえ。8時からだよね」
「そうだよ。
弟もくればいいのに、
来ないんだよ」
「ふーん、なんで?」
「ママが好きだからだって」
「あなたもママのこと、好きでしょ?」
「え?そうでもない。
だって、おっかないもん。
3歳までは優しかったけど、
それより後は、
怒ってばっか」
「そうなんだ。
あなたも大変だね。
何年生?」
「3年」
「3歳までは優しかったって、
しっかり覚えてるんだね」
「そうだよ。
ちっちゃかったからじゃない?」
「なるほどね。
今は3年生だから、
いろいろあるんだね。
それにしても、
あなたっておしゃべり上手だね。
なんかすごくよくわかるよ」
「ほんと?
学校では早口ッて言われるよ」
なんて話しながら歩き、
角のところで別れた。
しばらく、その会話を思い出しながら歩いて、
茶畑のところにでると、茶畑の向こう側から、
「犬の散歩のひと〜」
と彼女が呼んでくれてる。
振り返ると手を降ってくれてる。
私は手を振り返しながら、
この3年の女の子のママが、
講座に出てくれるといいのになあ!
なんて思った。
きっと、彼女のママにはママの背景があって、
それは忙しさであったり、
こうであってほしいという期待であったり、
この子の成長を思うからこそのしつけとか、
そういういろいろが、
彼女にとってみると、
「いっつもおっかない」という様に
伝わっているんだろうなあ。
静岡市社会福祉協議会主催
「思春期の子を持つ親育ち講座」
連続3回が、今日終わった。
今回の受講生の方々なら、
彼女のママが参加してくれたら、
「そういうこと、あるある」
「仕方ないよねえ」
なんて笑って話しながら、
彼女のママの日常のいろいろを優しく受け止めて、
で、さ、明日からどうする?
って励まし合えたんじゃないかな?
と私は思う。
今回の講座の受講生の方々も、
本当に素晴らしかった。
参加された動機はいろいろだけど、
ホントに一生懸命に取り組まれていた。
そして、みなさん、私の目から見ると、
どんどん変わられていた。
特に今回は今日3回目での変化が大きかった。
一回目の講座修了後のアンケートには、
(ご安心ください、
「アンケート結果を開示してもいいでしょうか。
不可の方はチェックを入れてくださいというボックスに、
チェックが入っているものは、記しません)
「自分だけかと思ったけど、
子育てに悩みを感じている人が他にも
いることが分かって安心した」
というような感想が多く書かれていた。
お一人
「早く家に帰り、子どもに会いたいと思った」
という感想には、
私は、とてもとっても嬉しくなった、
講座を受けてそう思ってくれたなんて、最高!
また質問事項としては
「今が楽しければいいという娘に、
どうしたら気づかせてあげられるか」
とか
「本音を言わない子にしゃべってほしい。
どう対応すればいいか」
とか
「反抗的な態度の子どもとどう向き合ったらいいか」
のように、
子どもをより良く変えたい!
そのための質問を書いてくださっている。
これが二回目になると、
もっとぐっと質問が具体的になってくる。
みなさんが安心して表現できる場になって
いることを、とっても感じた。
「ついアドバイスを先走ってしまいます。
どうしたらいい?と訊かれたときは
アドバイスを言ってもいいですか?」
「ごほうびで釣ってもいいですか?」
「お母さんは、かたずけが苦手。
でも上手にできた方があなたたちが
よい人生を送れるからアドバイスするんだ
と言ってもいいですか?」
などなど。
感想には
「毎日同じことを繰り返し怒り注意されている子の
ことが、かわいくないと思ってしまう気持ちに
とまどいを感じています」
などがある。
本当に正直に自分と向き合ってくださっている。
3回目のなると、
感想の内容が、
自分の内面を振り返るものになってくる。
「自分に足りないものが何かよくわかりました。
いつも否定的な言い方をしてしまってきました」
「なぜ自分は悩んでいるのかが、
子どものせいだと思っていたのが、
原因は自分の中にある、自分の思い込みが
そうしていたんだと思いました」
「他人、家族に対して、主に目をむけていたのですが、
3回目でやっと自分自身のわき上がってくる感情に
OKを出せる感じがつかめ始めてきた気がします。
やっと、本当にほっとしたようなすっきりしたような
気持ちでした」
「子どものこと、夫のこと、どうしようどうしようと
悩んでばかり、眉間にどんどんしわが刻まれていく
毎日でしたが、自分の努力でみんなが幸せになれる
のかもと希望がわいてきました」
「子どもに対してだけでなく、自分に対して勇気づけられた
講座でした。家庭や仕事のことで色々悩むことも
多いのですが、少しずつでも前向きにがんばることが
できればと思います。 たくさんメモを取りたかったの
ですが、追いつけないところもあり残念(←筆者注、
「申し訳ない」)
毎回の宿題はなかなかできなかったのですが、頭の
どこかには残っている自分が、今までの自分とは少し
変われたと思い嬉しく思います」
「心に少し余裕ができたように思います。今までも
子どもに対し凸トークはすごくしていますが、逆に
凹ませトークもおもいきりします。気持ちに余裕の
ある時はいいのですが、負の気持ち、負の状態が
続いた時は、どこにもはけ口がなく、ストレス解消
する場もなく、充実した部分が何もみつけらません。
そんな時は自分の行動もコントロールできません。
でも、そんな時は、(よくやっている)自分をほめて
みょうかと思います」
「私は高校へ行きたくないと思っている現在中2の娘が、
高校へ行きたくなる様、いろいろな勉強をして子どもに
接していました。でも、普通に学校に行ってもらうこと
に目標をもちすぎて、本来の子どもの将来すべてを
見据えて考えていなかったことに気がつきました。
思春期の中で、去年より成長している娘をもっと認め、
今まだ成長しようとしている娘の気持ちをきいて、
将来のことを一緒に考えていこうと思いました」
「思い込みによる失敗がいっぱいあります。
改めて反省させられました。小6の息子は、もうからだも
私と変わらなくなってきました。先日リビングにジーンズが
脱いだままほおってあったので注意すると、私のジーンズ
でした。ちらかす=息子 のイメージが私の中にあることを
強く認識した出来事でした。
自分の子育て、自分自身を見つめ直す、よい機会になりました」
・・・
などなど、
一回目の後の「子どもを変えたい」とは大きく違い、
自分を振り返る受講生の方々!!!
あ〜なんて、すごいんだろう。
すばらしい。
様々なことに気づき、
具体的な方法を掴んでいってくれてる感じが
伝わってくる。
出逢ったばかりの方々が、
離れ難そうにいつまでもおしゃべりしている姿を
見ながら、
あ〜やってよかったなあと
私はつくづく感じたのだ。
バーニーの散歩の時に会った3年生の女の子の
ママも、
きっと、いろいろな思いがあるんだろうな。
そして、今はその方法がベストと思ってやって
いるんだろうな。
それはそれであり。
でも時々、言い過ぎちゃった自分が
いやになる時もあるんじゃないだろうか?
もし、もし、そうだとしたら、
そのママにも、いつか出会えるといいなあ。
と、余計なお世話なくせが顔を出す私です。