2011年10月の記事 | 今のところではありますが…
不機嫌な人に、どう声かけたらいいのか。

【2011.10.31 Monday 13:34
「おはようござます」の挨拶をした時から、
なんか、今日は変だな・・・と思う、あの人。
不機嫌オーラ全開で、
ため息ついたり、書類もバサッと置いたりしてる。
困ったなあ、
頼みたいことあるんだけど、どうしよう?


日常の中には、
コミュニケーションを取る必要があるのに、
相手が感情的になっていて、
こちらから話しかけづらいなんて時がある。

そんな時どうするか?



私たちは経験の中で、
自分で考えて、

たとえば、
時間が解決してくれるから今はそっとしておこうとか、
職場にイライラをもちこむ相手が悪いんだから、
こっちもビシっと言ってやんなきゃとか、
気をほぐすような話題で
話しかけるところからやってみるかとか、
ま、
その場その場で、いろいろ考えて
相手に対処してきたと思う。

トライし、
うまくいった時もあれば、
失敗した時もあると思う。

それはすごいことで、
そうやって考えトライしてきた事実は、
大切にしたい財産だ。


なんだけど、
アサーティブネスにおける対応の
考え方と方法を知っておくと、
トライの結果、
うまくいった時のことが言語化できるし、
失敗した時のことは、なぜ失敗したのかが分かり、
着実に次に生かせると思う。



アサーティブトレーニングでは、
基礎講座、応用講座と進むと、
「ステップアップ講座」を受講できるようになる、
これは、
感情的になっている相手と
どうむきあうかというテーマを含めた
プログラムだ。

基礎も、応用も、
基本的には自分の感情にまきこまれず、
自分の考えや感情を
相手に伝える理論を学び、練習をするが、
ステップアップ講座では、
相手の感情にまきこまれないことを、
本格的に学ぶ。

相手の感情にまきこまれずに、
依頼したり、断ったり、
あるいは何かについて話し合ったりできる方法を知っていたら、
人と接していくのが、
随分に楽になると思う。

すばらしいプログラム。


今まで、主に東京と大阪で開催している
このプログラムを、
来春静岡で開催することになった。

こんな機会はそうそうないと思うので、
基礎、応用まで受けた方は、
ぜひぜひ参加をご検討いただきたいなって思う。


アサーティブジャパン主催
ステップアップ講座イン静岡
場所: 静岡県教育会館(静岡県静岡市)
時間: 2012年 1/7(土)10:00〜17:00 
           8(日)9:30〜16:30
対象: 基礎・応用講座を修了された方
     (2日間通して参加できる方)
費用:  31000円
定員: 21名
講師: 牛島のり子(アサーティブジャパン専属講師)

お問い合わせ、申し込みは

アサーティブジャパンのサイトは

私もアシスタントとして講座をサポートします。



**このブログは、
NPO法人アサーティブジャ パン認定講師である谷澤久美子が
個人で開いているブログです。
このブログに関する全ての責任は谷澤久美子にあります。
NPO法人アサーティブジャパンが運営・管理している
ウェブサイトではありませんので 予めご了承ください。




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「『親切』は驚くほど体にいい」

【2011.10.28 Friday 17:04
他者に親切にすると分泌される
神経ペプチド「オキシトシン」。
これが分泌されると、
心に良い影響があり、
さらに体の調子も良くなるということを、
様々な面から書いた本。
正直、最後まで、エビデンスベースな感じがなく、
ホント?
その実験ってどういう方法?
検証はどうやってやったの?
疑問は湧き続けた。

ただ、私は、体験的に
「他者に対してよい行いをすると、
 自分の気が晴れる」
ことは知っている。

私は「CL〜建設的な生き方」という人材育成法の
カウンセラーとインストラクターの資格をいただいているが、
そのトレーニングの中に、
「シークレットサービス」というエクササイズがある。

どういうことをするかというと、
誰にも気が付けれずに、
誰かが喜ぶようなことをするのだ。

たとえば、
夫のいない時に靴を磨いておく。
ゴミ収集の日、後始末をひっそりとやる。
スーパーの駐車場で、
入り口の近くがあいていたとしても、
次の人にゆずり、遠くに駐車する。

のようなこと。

これのポイントは、誰にも知られずにやること。

つまり、お礼をは言われない。
でも、なんか、気持ちいいのだ。
そういうことをやっている自分を、
自分で認めることができる。
「シークレッットサービス」は
それを体験するプログラム。


つまり体験的に知っていることだが、
理論付けられたらいいなと思って
読み進めた。
理論づけられた!までは行かなかったが、
でも、
どんな効果があるのかを言葉にしてあり、
事実かどうかは確かめようがないが、
それでも様々な事例が掲載され、
そして具体的な実践法を紹介してあり、
さらに監訳者のあとがきには、
ストレスをためこまない3か条があり、
ま、お得だと思った。

この本によると、
他者に対して親切にすることで分泌される
オキシトシンの効果は、
①人との親近感、信頼感が増す
②ストレスが消え、幸福感を得られる
③血圧の上昇を抑える
④心臓の機能をよくする
⑤長寿になる
という5点。

オキシトシンを分泌させる方法として、
①親切をする
②感動する
③感情を表に出す
④マッサージを受ける
⑤愛する人と精神的に支え合う。スキンシップをする
⑥ハグをする
⑦ペットをなでる
の7点をあげている。

さらに、ストレスの元凶を
「内向きになること」としていて、
意識を外に向けることでストレスは軽減することが
できると言っている。
そのためのシンプルな方法は、他者に感謝すること。
感謝のふるまいができるエクササイズとして、
①感謝日記をつける
②これまで関わってきた人たちが、
 あなたのためにしてくれたことを数える
③感謝の手紙を書く
④小さな『いいこと』に目をむける
⑤いい思い出の裏に、
 どんな人の「支え」があったか考える
という5点を示しているが、
これは「内観」と通じるものがある。

以上のように、
すごく具体的なので、
建設的な行動をしたいけど、
どうしていいか分からない人には、
ヒントがいっぱい詰まっている本だと思う。


私は、
久しぶりに
自分に「シークレットサービス」の
課題を与えたいと思った。

夫と義母と義父にひとつずつ、
今月中に何かしたいなって思っている。
喜ぶ何かがみつかるといいんだけど。











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働き始めのダメな自分の件。

【2011.10.27 Thursday 20:34
働き始めの頃の
本当にダメな自分のことをいくつか思い出した。



今日、朝のテレビの中で、
カラ−タイツが流行している理由を、
「この冬の節電に備えて、足元を温かくしようということから
 タイツが流行っている」
と分析していて、
そんなバカなあ〜と思った。

もうず〜〜〜っと冬はタイツで、
それは今年始まった訳じゃない。
節電だからとか、寒いとか、
それは後からつけた理由だもん。
ちょうどいい理由だっただけだもん。

なことを考えていたら、
急に思い出したことがある。

大学卒業した後に、
広告制作会社に勤めた時のことだ。
その広告制作会社は百貨店のチラシやパンフなどを
作っていて、
私はコピーライターだった。

年に何度が社長を交えての会議というのか、
訓示みたいなものがあって、
その席で、社長が、
「なぜ女性はスカートもあるのに、
 パンツをはくのか?」
と質問した。

私は指名されたらいやだな・・・と
隠れていたが、
そういう人が指名されるのが掟だ。

その時、私、本当に陳腐なことを言ってしまった。
「動きやすいから」
と。

その陳腐っぷりを、
「節電に備えてタイツが流行してる」
ということが聞こえてきた途端、
思い出した。

どちらの答えも、
考えてないし、
この辺りのことを言っておけばいいだろうという
適当な感じだし、
でもそうじゃないともいえないし、
何より浅い。

ま、今考えれば、
「動きやすいから」もあるけど、
・コーディネートのバリエーションがパンツも加えると
 増える。
・パンツにハーフブーツをはけば、
 靴下はいい加減でも大丈夫。
・低いソファなどに座らないとならない時に、
 気にならない。
・作業の時は便利
・パンツスーツはできる女風になれそう
・足の形を気にしなくてもいい
・スカートは丈の長さに寄っては、
 足の短さや足の太さを強調してしまうので、
 慎重にならざるをえなく、難しい。
ま、いろいろある。

きっと社長は、正解は何かってより、
考えろってことを言いたかったんだろうな。
考えなしの陳腐はいらないって。

それが、
今日のタイツで、
本当に、約26年ぶりに思い出されて、
自分でもびっくりした。




で、それを思い出したら、
芋づる式だ。

その会社の前に勤めていた頃のこと。
そこはリクルートの下請けの会社で
事務員というか、助手というか、
そういうようなことをやっていた。

ある日、社長から私宛に電話がきた。
「机の上に、いつも使っているペンがあるはず。
 それを忘れてきたので、
 ○○(事務所の近くの喫茶店)に持ってきて」
ってことだった。

そこにいくと社長が難しい顔をして
コーヒーを飲んでいて、
私の交通費の使い方について指導をしてくれた。

今考えると、もう本当に恥ずかしいんだけど、
私は、原稿を入稿する時、
時々、タクシーを使い、
それを領収書を出して請求していたのだ。
ほんと、今考えると、
なぜあんなことができたんだろうと思うけど、
その頃は何の疑問も持たずに、そうしていた。

「うちは下請けで、
 この原稿を仕上げることで得られるものは、
 これだけだ。
 電車を使ってくれ」

このことを、みんなの前で私に注意するのは
忍びないと思ってくれて、
わざわざ小芝居をうってくれた。
すごく言いにくそうに、
汗をかきながら言ってくれた。

私はその頃初台に住んでいた。
都営新宿線での定期代は高かったから、
それで請求して、
営団地下鉄で定期を買って、ちょっとだけくすねる・・・
のような、小賢しいマネをしていた私に、
すごく配慮のある、気を使ってくれての注意!

社長の連れ合いは、時々やってきて、
たとえば夏はそうめんをゆで、
天ぷらをあげて、
みんなにお昼をふるまってくれたりした。

本当にいい人たちだった。

そういう人たちに、
ほんっとにダメな私は育ててもらった。




コレ以外も、とにかくタイツから、
働き始めたばかりの自分のダメっぷりを
いろいろ思い出して、
なんか、みんなにお願いしたくなった。

今もし、
お子さんや後輩や部下に、
相当ひどい行動や態度の場合があったとしても、
育てようよ!

ひとつひとつ、それは違うよ。
こうした方がいいよって、
教えていこうよ。

私は、そうやって育ててきてもらったことを、
思い出して、
そう思うんだ。




 








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ホワイトボードミーティング

【2011.10.26 Wednesday 21:03
普段活動をしている中学校では、
毎週一時間相談部会が開かれる。
生徒指導の先生や、特別支援コーディネーターの先生、
養護教諭、相談員、支援員、カウンセラーなど、
相談に関係する人たちが集まり,
学校の中で困り感をもっている生徒たちについて、
情報を共有し、支援の方法を考えていく会議だ。

普段は、主に情報共有の時間になっているが、
時々ケース会議といって、
一人の生徒に絞って、
その生徒に対する支援方法を検討する会議を開く。

今日はその日。

いつもなら、
用意されたペーパーと
担任の先生の話をみんなできくという形だが、
今日は、この夏、ちょんせいこさんから学んだ
ホワイトボードを使ったものを提案し、
やらせていただいた。

担任の先生から、
その生徒の現状を発言していただく。

それを、短い言葉にして、次々にホワイトボードに
書いていく。
エピソードや、具体的な出来事を訊ねていくので、
その子の様子が目に浮かんでくる。

参加した先生方はホワイトボードを見ながら、
いろいろな表情を見せてくれる。

まず、それがいいなと思った。

いつもなら、ノートにメモをとったりされているので、
全員が顔をあげる瞬間って、あまりなかったように思う。
でも、今日は全員の目がホワイトボードにむいているので、
お互いが、お互いの表情を見ながら参加している。
なんか、安心だ。

次に、その生徒について知っていることがある参加者から
発言をもらう。

その生徒が多面的になってくる。

ある程度、現状を共有できたところで、
この生徒の困っている点は何かを、
最初の収束のポイントにして、
まずは、参加者に二人組になってもらい話してもらう。

全員が発言している。

これもいいなと思った。

いつもの会議だと、一回も発言しないで終わってしまう
先生もいるが、今日は全員がこの会議に積極的に
参加してくれている。

話し合ったことをあげていってもらい、
二番目の収束のポイント、
三番目の収束のポイントと
話し合いをすすめ、
場に出てきた意見は、もれなく書いていく。

ホワイトボードは文字でいっぱいだ。

2番目の収束ポイントを話しているとき、
保健室の先生が遅れてやってきた。

でも、ホワイトボードを見て、
何をやっているのかすぐに理解してくれる。

これもまたいい。

遅れての参加でも、すぐに参加してもらえるのが、
誰もおいてきぼりにしていない感じで、
すごく気持ちいい。

結局今日の会議では、
担任のその生徒に対する願いが明確になり、
それに向かって、
誰かいつまでに何をするかが、
ある程度言語化できた。

この日の私の目標は、
その生徒に届く支援方法をひとつでも見つけること。
それは達成できた。

同時に、担任の先生の気持ちが軽くなり、
「やってみよう!」と思えるような何かを
みつけてもらうこと。
それも、どうやら達成できた。



会議が終わったあと、
次の授業に向かった担任以外が、
その部屋に残った。

私はみんなに訊いてみた。
「この方法での会議を初めてやってみた。
 担任の先生を責めたような感じが
 なかったかどうか、すごく心配なんだけど、
 どうだった?」
みんなは、そんな心配、全くいらないと言ってくれた。

そして、
「こうして文字でひとつひとつ確認できていくと、
 はっきりして、今まで単なる話し合いでやっていても、
 ちっとも進まなかったことが進むね」
なんて言ってもらえた。



今起こっていることは
どんなことなのか?

そこから考えられる困難は何か?

目標をたてるとしたら、何か?

その目標に向かった行動計画は
どう立てたらいいか?

行動計画に基づいて役割分担は、
どうしたらいいか?

これらのことを、
みんなが顔をあげて、
全員が積極的に参加しながら、
そして、共通の言葉を確認しながら
進めることができるホワイトボードミーティング。



これが生かせるのは、
多分学校だけではない。

チームでお互いの得意を生かしながら活動していく時に、
チーム内の話し合いの方法として
「見える化」は、本当に大事だと思う。

ホワイトボードミーティングの可能性は、
トライしたことで、またまた、広がった気がする。



そうそう、会議で話し合ったことを
まとめてペーパーにしたものを
参加者に配布した。

担任は喜んでくれた。

この手法での会議を初めてやったことを
担任にも伝え
「当事者という対場からの、
 改善点があったら教えてくださいね」
と伝えることもできた。


いろいろな現場で、
使うといいと思う。








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10〜11月に読む予定の本。

【2011.10.25 Tuesday 22:00
よく質問されることで、
「いろいろな方の難しい話を聞くから、
 ストレスたまるでしょう?
 どうしていますか?」
というものがある。

ところが、この仕事に関して、
ストレスがたまるということはない。

実際のところ、
カウンセリングに来てくださる方々は、
何か困り事を抱えてらして、
でも、それをなんとかしようと一歩踏み出た方々だ。

現状と、

希望や
理想とする状態や、
ほしいものなどとの間に
確かにその時は距離がある。

自分に、
希望や、
理想とする状態や、
ほしいものが
あることさえ忘れてしまっているほど、
ごちゃごちゃ、ぐるぐるされている場合も
あるが、

それでも、
それをなんとかしようと一歩踏み出されたってことは、
やはりすごいことで、

そういう方々のお話を伺っていると、
その悩みの先にある、
希望や
理想とする状態や、
ほしいものなんかが、
くっきりしていく。

とにかく、
悩み、困難、混乱を、
なんとかしたいって思って
相談にきてくれた方々。

そういうお話を伺っている訳だから、
皆さんがよく私に質問してくれるような
ストレスうんぬんという感じじゃないんだな、
これが。


ただ、やはり、仕事が立て込んでいると、
ちょっとやばいなって思う。
で、10月11月は講演の仕事が多く、
休みがあまりない。

講演の仕事は、
すごく緊張するけれど好きだ。

講演の仕事も、
講座の講師も、
カウンセリングの仕事も、好きだ。

仕事そのものはいいのだが、
休みがないってのは、やはりきつい。

特に映画を見れないのが、辛い。
見たい映画は、たくさんある。
しかし、時間が物理的にない。



そんな時は、本だ。
P1010015(変換後).jpg


10月11月は↑を読む。

移動にはなるべく車を使わず電車にして、
読む。


講演や講座の講師の仕事をする時は、
準備の時間も必要で、
テーマや目的にあわせて構成し、
レジュメを作ったりね、
いろいろあるけど、
本を読む時間は、取る。






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「途上国の人々との話し方」

【2011.10.23 Sunday 16:38
タイトルは「途上国の人々との話し方」だし、
サブタイトルは「国際協力メタファシリテーションの手法」。
普段の私なら、手に取りにくい本だと思う。

しかし、ちょっとしたきっかけで購入し、
数ページ読んですぐにこの本が、
途上国でなくてもどこででも大切な、
国際協力の場でなくてもどういう目的でも必要な、
コミュニケーションや、
ファシリテーション
(その場にいる人をエンパワメントすること)
の考え方と方法の本で、
アサーティブネスにも通じるし、
でもそれを違う角度から論じている本だと考えた。



国際協力の場で、
筆者の一人中田氏は、
なぜ本当の支援ができないのだろうということを考えていた。
たとえば村人に困っていることをきくと、
井戸がほしいということだったから井戸を作り、
ただしメンテナンスは自分たちでやってほしいと伝え、
何年か後にその村を訪れると、
井戸は長い事使われておらず、
ほったらかしになっていたりする。
なぜそういうことが起きるのだろうという疑問と、
同時に、
本当に必要なことを探り出せる和田氏(もう一人の筆者)は、
なぜ村人たちにとっての本当の支援にたどり着けるのか
と彼の取材方法をみていた。

そして和田氏のコミュニケーションの方法を、
中田氏がメタファシリテーションと名付け、
その理論と方法論を確立していく。

その全容がこの本に書かれている。

和田氏の職人のような所行を、
なぜそれがいいのか、
どうやっているのか、
それを裏付ける例えば心理学的な理論は何で、
しかも、それをトレーニングするとしたら
どういうプログラムができるか、
見て、考えて、探りながら、
中田氏はひとつひとつ言葉にしていく。
その様子というか、
そのこと自体が、ものすごくスペクタクルな感じ。
そうやってできあがっていったのかあ!
とわくわくしながら読み進められる。



以下は、自分のための覚え書き。

メタファシリテーションの基本姿勢は
①事実質問の力を信じる
 質問には3種類ある。
 「事実」を訊くもの、
 「考え/意見/観念」を訊くもの、
 「感情/情緒」を訊くもの。
 そして事実を訊きたいのに考えを訊ねる質問を
 してしまう。特に質問をする側と答える側に上下関係
 があると、「これは何ですか?」という質問でも、
 相手かた見えるであろうものを答えてしまう傾向が
 強いことを意識しておく。
②一対一の対話が基本
③提案しない
 提案したり助言したりすることを徹底的に慎む。
 相手に語ってもらうための質問をすることに
 こだわる。
④信じて待つ
 相手の気づきを信じて待つ。



その具体的な方法は、
①セルフエスティームがあがるような
 エントリーポイントをみつけ、話し始める
②課題を整理する
 (事実を教えてもらう質問をする)
 ・それによってどんな困ったことが起こったか。
 ・どんな対処をしてきたか
 ・それで誰がどのように困っているか
③一番最初(最近)それが起こったのはいつか
 ・一番最近その問題が起こったのはいつですか?
  それはどこでですか?
  誰がどう困りましたか?
 ・それが一番最初に起こった時のことを覚えていますか?
  いつでしたか?どこでしたか?
④課題・問題の起点に遡る 
  「自分のことについては、『成功は内的要因』
  『失敗は外的要因』に帰するのが私たち人間の本性。
  『なぜですか?と訊くことで誤った自己分析を
   わざわざ語ってもらう必要はない。『言葉は
   信じるな。しかし相手を信じろ』」
⑤解決方法を探る
 ・自己の類似体験の追跡にこだわる
  「類似の課題を以前に解決した経験を思い出してもらう」
 ・身近な他者の類似体験に学ぶ
⑥相手から質問を受けたらチャンスだと思え
 ・とまどうような質問の場合は次のように考える
  1・ソレ以前の自分の説明ややり取りが、相手にとって
    あまり明確でなかったり、納得がいっていない。
    →引き返すチャンス
  2・相手の質問が不明確、勘違いしての質問
    →きき返すことで「気づきを促す」よいチャンス
⑦結論は当事者に言ってもらう
 固定観念への気づきや解決方法の発見が、本人の
 ものとして認識されるかどうかが、行動変化のための
 最大の鍵となる。

★「ファシリテーションの極意は、
 『事実を聞く』ことと、『相手の気づきを待つ』、
 つまり提案しないで、信じて待つことの二つに集約
 されるといえる」


コレ以外にもエピソードやたとえ話がすごくおもしろいし、
理解を深めるものになっているが、
ここまで読んで興味を持った人は、
ぜひ読んだ方がいいと思うので、
書くのはひかえようと思う。

さらに、対人援助の活動をしている人には、
その活動の助けになる、
智恵やヒントやアイディアや具体的な方法が
つまった本!と宣伝しちゃおう。


今年出会った、
コレ系の本の中のベスト!

この手法や方法論に関する研修や講義は、
「ソムニード」のウエブサイトで発信しているとのこと。







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ゴッホの玉葱のスープ

【2011.10.22 Saturday 20:57
仕事仲間との待ち合わせのために
駅の構内を歩いていて、
ふと目に入ったSoup Stock Tokyoさんのメニューに、
「ゴッホの玉葱のスープ」というものがあった。

気になって気になって仕方なかったが
待ち合わせの時間があったのでそのままにして、
仕事が終わったあと、もう一度確かめにいった。

食事はすませていたので、もし冷凍のテイクアウトで
このスープがあれば買って帰ろうと思ったが、ない。
残念に思いながら一旦店を出たが、
どうしても気になったので、
「なぜゴッホなんですか?」とスタッフの方に質問してみた。

というのは、
やっぱ私はゴッホが好きだからだ。

ゴッホはなんとなくゴッホであったのではなくて、
様々なプロセスを経て、
しかも、彼自身の試行錯誤や努力や、
精神的なトラブルや、いろいろなものがありながら、
ゴッホになっていったのを、
一層深く知って、
以前よりもっと好きになった。


スタッフの方はすごく丁寧に教えてくれた。

昨年のそのゴッホ展時に、
その展覧会にあわせて
Soup Stock Tokyoさんでは二種類のスープを作り、好評だった。
今回はそのうちの玉葱のスープの方をお出しすることにした。
というのは、展覧会の開かれたシーズンと同じ今は秋で、
オニオンスープ風のものがおいしくなる季節ということもある。


ということだった。


つい最近、
BSでゴッホ関連の番組を2つやっていた。
ひとつは、ゴッホを経済的精神的にサポート
し続けた弟テオとの手紙を通して、
ゴッホの人生を描いたもの。



もうひとつの番組の方では、
ゴッホの才能に惚れ込んで
作品を収集したオランダ人の実業家夫妻ミュラーさんの
妻の方、ヘレンさんのいくつかの言葉が印象的だった。

たとえば、
ゴッホの絵には
「苦悩する人々への共感が描かれている」
とか。
P1010010(変換後).jpg
↑「悲しむ老人」(絵はがき)をトリミングしたもの。

この老人の嘆き悲しむ様子がダイレクトに伝わってくる。



また、
「とるにたりないモチーフが、
 ゴッホの手にかかると特別なものになってしまう」
とか。
P1010012(変換後).jpg
↑「ゴーギャンの椅子」(絵はがき)をトリミングした。

これはゴーギャンが座っていたイスだから、
とるに足りないものではないが、
このイス単体で描いても、
これがゴーギャンのものだとわかるように特別なものに描いている。


また、ヘレンさんは
「自分の頭の中にまずレモンを描く、
 そして目の前のゴッホが描いたレモンを見る。
 そのあまりの違いにびっくりして、
 彼の才能を知った」
と言う言葉を残した。
P1010008(変換後).jpg
↑「マルメロ、レモン、梨、葡萄」(絵はがき)



ゴッホの作品を見るとき、
いろいろな感情が湧き出てくるのを感じる。
せつなさだったり悲しさだったり、
楽しさだったり優しさだったり、
怒りや憎しみや辛さや、
幸せも愛しさや、
落ち着いて鑑賞していられない
その感じが、
たまらなく好きなんだと思う。




今日は仕事仲間の素晴らしい仕事ぶりをみて、
私自身もその場に貢献できて、
充実した仕事の時間をすごせた。

その後、
こうして、
好きなものに対して浸れる時間を持てた。

つくづくと贅沢なことだなあと思いながらいる。




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螺旋のように。

【2011.10.21 Friday 21:46
ダイエットしていて、
順調に体重が減っていたのに、
ある時、突然ピタっと体重が変わらなく
なる時期があるらしい。

それは
やる気がそがれるだろうなあと思う。

同じように、
今までの自分の考え方や、
コミュニケーションの方法を変えたいと、
新しい方法を学んだあと、
ちっともうまくできなくなってしまう
という時期があるって人も多くいる。


相手のことを信じようと、
あれほど考えたのに、
やはり疑いの気持ちや、
許せない気持ちがでてきてしまったり、

トレーニングして方法はばっちり分かっているのに、
現場でうまく使えずに、
あきらめの気持ちがでてきたり、
本当に使える方法なの?と攻撃的な気持ちが
でてきたり。

多分、そこが、分かれ目なんだろうと思う。

そこで、続けるかやめるか。
それがポイントなんだと思う。


潜在意識というものは、
急激な変化を嫌うらしい。
急激な変化から自分を守るために、
できるだけ現状を維持しようとするらしい。

以前の考え方や
それまでさんざんやってきた方法を
やることによって、
潜在意識は安心感を得ているらしいが、

建設的な考え方や
新しい方法を知ってしまった私たちは、
その
変えられない、
変わらないことが、
苦しい。

苦しいから、やめちゃう?

そこがポイントなんだな、きっと。


そんな時に思い出した方がいいことは2つある。
ひとつは
スタートをきったって事実。
もうひとつは
目標だ。



変わらない、
変えられない自分にいらだつということは、
スタートをきったからこその傷みで、
始めた人しか味わえない感情だ。
一見ぐるぐると、同じところを回っているようでも、
実は、螺旋階段の途中にいて、
その時はもう地面にいるわけじゃない。
横から見れば、段数をあがっているって訳だ。


変わらない、
変えられない自分にいらいらするのなら、
現実の自分では満足できないからこそだ。
だとしたらどうなりたいか、いかにありたいか、
つまり
自分の目標を思い出して、
その時できることを、
ひとつひとつしていけばいい。


つまり、

あ〜もう、ほんと、だめなんだから自分!
結局変わらないじゃん!

って思ったら、
それはチャンスだよなあ。

それでも続けることで。
またちょっとだけ違う視界が
広がる手前にいるんだよなあ。




カウンセリングの場で、
心のエネリギーをためようとしている方にも、
コミュニケーションの場で、
自分をより良く成長させようとしている方にも、

回復や成長のプロセスの中で訪れる複雑な感情。
それがうずまく中で
これって螺旋階段だ!と、
はっ気づけるといいんだけどなあ。

はっと気づけただけで、
ちょっとだけ客観的になれて、
感情に振り回さなくなるんだけどなあ。


自分自身も螺旋階段の中にいるし、
だからこそ、サポートできることって
あるよなあ。




author : tanizawa-k
| 日常 | comments(2) |

共有するために。

【2011.10.20 Thursday 08:21
学校での相談活動の中で、
子どもへの支援方法を共有することを
心がけている。

たとえば、
担任の先生、学年主任の先生と
話し合ったことを一枚にまとめ、
「今日、話し合ったことまとめてみました。
 確認お願いします」
と手渡すことを何回かやっていた。

そしたら、
ある中学校で学年主任の先生が、
同じようにやってくださって、
 「話したことをまとめてみました。
 日程のところ、これでいいでしょうか?」
と言ってくださった。

そして、
「書類にして、共有しておくこと、
 谷澤さんに教えられた」
と言ってくださった。



同じ会議に出ていて、
同じ言葉をきき、
最後にまとめて確認した言葉があったとしても、

言葉を空においとくだけだと、

参加側には、
それぞれの事情や思い込みや、
その時の調子や、
それに対するモチベーションなどがあるから、

違う受け取り方をしていることも多い。


私は私がかかわっている子どものことで、
保護者の方や
先生方や、
何より子どもに信頼してもらって
相談してもらっているのだから、
間違いがあったり、
日程にズレがでてしまうことは、
私がいやなので、

書いてまとめて、
言葉を紙において、

確認していただくことをする。


その方法を認めてもらい、
その方法を活用してもらったことが、
すごく嬉しい。



今日は新聞広告の日ってことで、
毎日新聞にメッセージ広告があった。

「そのとき
 ことばは なすすべもなく立ちつくしていた。
 ことばは じぶんの無力を感じていた。

 ことばは がれきをかたづけることができない。
 ことばは おなかをみたすことができない。
 ことばは 電気をつくることができない。
 ことばは 病気をなおすことができない。
 ことばは 寒さをしのぐことができない。
 ことばは なにができるだろう。

 ことばは はなればなれの家族をさがした。
 ことばは ご近所のきずなをつないだ。
 ことばは やりきれない怒りをつたえた。
 ことばは 満開の桜の下でかわされた。
 ことばは 日々のくらしをとりもどそうとした。
 ことばは それでも忘れることはない。

 ことばは けっして忘れたりしない。
 ことばは もっとはたらかなければならない。
 ことばは がんばろうというだけではたりない。
 ことばは もっとできることがあるにちがいない。

 ことばは ひとびとの数だけある。
 ことばは ひとびとの日々の数だけある。
 ことばは ひとびとの日々の気持ちの数だけある。
 ことばは この国のいたるところにある。
 ことばは ひとびとをつなげなければならない。
 ことばは 過去を忘れず伝えなければならない。
 ことばは 未来について語らなければならない。

 ことばは 語ることをやめない。」



私たち、学校で働く、
子どもにかかわる者として、

「ことばは もっとはたらかなくてはならない」

を心に留めないと。


はたらかせるのは自分だ。


この学校でだけでなく、
もっともっと
情報を共有するするために
言葉を使おうと思う。

ことばでは、どうしようもないことも多いから
ことばで なんとかできることは、
ことばで なんとかするんだ。








author : tanizawa-k
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断ることは、自分を大事にすることだった。

【2011.10.17 Monday 08:37
(今回の記事の内容は、本人の了解をえて、
 オープンにしました)

以前からよく知っている若い女性Aちゃんから
メールがあった。



彼女は最近新しい仕事についたばかり。

新しい職場で出会った女性の先輩Bさんは
面倒見がよくて、わからないことは教えてくれるなど、
何かと親切にしてくれる。
AちゃんはBさんを頼りにしていた。

ある日、AちゃんはBさんから
ネットワークビジネスの集まりへの参加を誘われる。
Aちゃんは、ネットワークビジネスについて
あまりいい印象をもってなかったし、
全く興味もなかったから何気なく断ってみたが、
「すぐ終わるからいこう」と言われ、
仕事ですごくお世話になっていることが頭にあって
断りきれずに出かけた。その日、帰宅は夜中の1時。

その集まりの雰囲気はAちゃんにはあわないもので、
さらにBさんからはサイドビジネスとして
一緒にやらないかと誘われた。

Aちゃんはそのネットワークビジネスが販売している
商品そのものは、良いものがあると思った。
しかし、価格が高い。購入も無理だ。

ますます困ってきた。

そして、私のところにメールがきたのだ。



「断りたい。どう言ったらいい?」


この時のAちゃんのメールがお見事だった。
私が訊きたいことが、
すでにメールにすべて書かれていた。

何がいやなのか?
「ビジネス誘われることも、
 集会にでることも、
 商品をすすめてもらうことも断りたい。
 ただし、先輩のことは好きだし、
 これからも、仕事上での関わりはもちたい」

なぜいやなのか?
「将来の専門学校にいくためのお金をためている。
 そのことに集中したいし、
 ソレ以外のことにお金を使いたくない。
 また商品やビジネスなどを他の人にすすめることも
 苦手」

なぜBさんはそのビジネスを進めてくれるのか?
「その商品に惚れ込んでいる。
 そのビジネスによって自分の人生が変わった。
 だからビジネスに誘ってくれた人を恩人だと
 思っていて、自分もAちゃんの人生を変えて
 あげたいと思ってくれている。
 そのビジネスをやっている女性は若くて、
 きれいで、おしゃれで、尊敬できる人が多いと
 思っている。
 Bさんがそのビジネスをやっているのは、
 よいと思う」

Bさんのことをどう思っているか?
「Bさんはとてもいい人だし、
 感謝の気持ちがある人。
 仕事のフォローもすごくしてくれて
 いつもありがたく思っている」

なぜ断れないのか?
「断ったことで、
 職場の人間関係が悪くなることがいや。
 また、Bさんに嫌われてしまうのではないかとか、
   職場で孤立してしまったら嫌だななど、
  とても不安」



そのメールは、すでによく考えられていて、
彼女が今までさんざん悩んできて、
それを言語化したことがよく分かって、
だから
私からは、
ほんのちょっぴりアドバイスと、
背中を押す励ましのメールを送った。



すると、翌日の夜、
「言えた!すっきりした。わかってもらえた」
とメールがきた。


ほんと、すばらしい彼女。
勇気をもって、断った。
そうすることで自分の人生を大切にしたってことが、
私はめちゃくちゃ嬉しい。



で、どんなことに注意して伝えたかを
質問してみると、

「とにかくBさんに伝えようとすると
  ドキドキしてしまう。
 Bさんは大切な存在だから
  嫌われるのが怖かっただからなかなか
 言い出せなかったってことはしっかり伝えました]

と、すごい!すごいぞ、Aちゃん。


「あとは、
 自分の要求(商品は買えない、
 集まりには参加できないなど)も
 伝えられるように頑張りました。
 ちなみにこれはすんごくドキドキしました」

と、ますます、すごい!すごいよ、Aちゃん。


「そして自分の感情は素直に伝えることを
 心かけました」

ドキドキする、ってちゃんと言ったもんね。
すごいよ、Aちゃん。


「ちゃんと出来ているかはわからないけど、
 とにかく伝えよう。
 Bさんならわかってくれると信じてやりました]

と心の中で考えていたこともまた素晴らしい。
相手を加害者にもしてないし、
自分も被害者になってない。

ただ、そういうことで困ってしまってしまっている自分を
さらけ出し、
「ここに関してはノー」と断ったAちゃん。

すばらしい心構えで伝えたんだね、Aちゃん。


「といいつつ
 伝えられるか不安だったので
 カンペ用意しました(笑)」

あ〜、またその準備がいい。
そういう姿勢が、アサーティブだよお。


「Bさんは
  ちゃんと言ってくれてありがとねと言ってくれた。
 そして
  自分自身も嘘(親がダメと言ったからとか)や
  ごまかすことをしなくて
  後で後悔(あーなんで本当のこと言えないんだろ。
  とか断れない自分ダメじゃんとか)しなくていいので
  すっきりしました]

とメールに。


私はAちゃんのことを、心から尊敬する。

そして
本当に本当に誇らしく思う。

ってのは、
彼女の幼い頃から知っていて、
彼女の様々な葛藤も見てきていて、
そして、自分のことを大切にできる、
さらに、相手のことも十分に思いやれる
こんなに素晴らしい女性に成長していること。
それを時々近くで感じさせてもらえることが、
幸せでしょうがない。


こういうことで、
悩んでいる人も、
世の中には結構いると思うから、
Aちゃんのトライをブログで紹介していい?
ってお願いすると、
心よく了解してくれたAちゃん。

ありがとうね。
そして、これからも、
時々話しながら、
ぼちぼちやっていこうね。

あんまり会えないけどね。







author : tanizawa-k
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谷澤 久美子
counselor