主観的、客観的。 【2011.02.28 Monday 12:15】 |
夫の車の中に ジェームズ・テーラーのベスト盤のCDが乗っている。
先日、キャロル・キングとのライブの様子を テレビでやっていた。 それを見て、 二人で、 やっぱ、この二人はいいよねえと話した。 キャロル・キングが書いた 「You've got a friend」 は大好きな曲だ。 ライブでは、その曲を二人で歌い、 さらに、アドリブで、 感謝をお互いに伝えあう言葉を 曲にのせて歌うシーンがあった。 本当に感動したシーン。 で、昨日は、夫の運転で買物に出かける間、 彼の「You've got a friend」を聴くことにしたのだ。 ふと、 「You've got a friend って英語の言い回し、 おもしろいよね」 と思い、言ってみた。 「♪何かあったら、私の名前を呼んで すぐに駆けつけるから。 だって友だちだもの ♪ というような歌詞だから、 日本語の感覚でいうと、 たとえば I'm your friendなら、 わかるけど、 おもしろい言い回しだね」 すると、 夫「でも、これはアメリカ人の言い回しでは 普通かもしれないね」 私「確かにそうだね」 私「なんだけどさ、あなたはこの言い回しに 関してどう思った?」 夫「だから、これは英語では普通の言い回しかも しれないと思ったって言ってるじゃん」 私「うん、それはわかる。 でも私が訊いているのは、 この言い回しをあなたはおもしろいと思ったのか どうかなんだよ」 夫「特に何も思わなかった」 私「そう。分かった」 ここから、私は普段思っていることを言ってみた。 意外な展開になっていく。 私「私ね、実は前から思ってたけど、 あなたと話していると、 常に客観的でありたいと考えているのがわかる。 それはすばらしいことだと思うけど、 客観的に考える前に、自分でどう思うかとか、 自分はどう考えているか・・・っていう、 そういうのを、自分の中だけでも、言葉にしといた 方がいいんじゃないかな?なんて、 めっちゃ、余計なお世話だけど、思うんだよ。 あまりにも客観的であろうとして、 自分をないがしろにしてないか、心配な感じ」 夫「そうなんだ。 そんなことないよ。 自分の考えはしっかりとあるよ。 でも、それにとらわれたくないから、 なるべく違う視点で考えようとしてるんだよ」 私「それはすごいと思う。 じゃあさ、さっきみたく、私が You've got a friendっておもしろいね って言った時、 あなたはそれに対しては、何か思っているの? 何か思っていて、でもそれは言葉にしないで、 なるべく客観的になろうとして発言するのか、 それとも、何も思ってないの? 私が訊きたいのは、客観的な視点じゃなくて、 あなたはどう思ってるか?なんだけど」 夫「その時は、その言い回しに関しては、 何も思ってなかったよ。 でもあなたが訊きたいのが、客観的な視点じゃなくて、 オレがどう思っているかで、客観的な方はいらないって 言われると、それはムカっとくる。 そんな事言われたら、オレだって、別に You've got a friendという言い回しについての あなたの感情なんて、知りたくないって話に なってしまうじゃん」 私「なるほど。そうかあ。 そうだね。自分の聴きたいことだけ聴きたいってのは、 駄目だね」 ま、これだけの話。 たったこれだけのことなんだけど、 私は結構、このことを話せてすっきりとした。 これは普段私が思ってたこと。 夫はすごく多角的に物事を見られる視点をもっている人だ。 しかも、そうしようと研鑽してる。 新聞を鵜呑みにしないし、 いろいろな情報を集めようとしてる。 本当に尊敬する。 でも、同時に、 あまりにもそうしようとしているばかりに、 自分の考えや自分の感情を後回しにしているように思えて、 なんか、せつないっていうか、 もっと、リラックスしていいじゃんっていうか、 「客観的であるべき」ってのは疲れちゃうんじゃないだろうか っていうか、 そんなふうに思ってたんだ。 そんな風に私が考えていることを 知らせることができてすごくよかった。 そしてもう一点。 彼が「客観的であるべき」と考えているみたいに、 私の中にも、 「相手が応えてほしいように応じる方がいい」 みたいな、 それは「べき」まではいかないけど、 そっちに価値をおいているところがあるってことを、 発見したことがよかった。 どっちも、まったく間違いじゃないし、 ただ二人には 大切にしているものがそれぞれある ってだけのことだ。 一人の人間の中に 主観的も客観的も どちらもあればいいけれど、 でも、いつもいつも、 二つの視点を一人でやらなくなって いいはずだ。 二人で軸足がどちらかに傾いている時は、 補えあえばいいんだよな。 その上で、 私が、彼がどう感じているのかを知りたければ、 訊き方を工夫すればいい話だ。 「You've got a friend って英語の言い回し、 私はおもしろいって感じるんだけど、 あなたは、どう感じる?」 って。 ま、日常会話の中では、 こんな面倒なことやらないけど、 本当に大切なことがあって、 話し合わないとならない時には、 お互いの個性の違いを頭に置いた上で、 きちんと話し合えたら、 それはそれでいいかもな。 で、お互いの個性の違いを生かし合っていけば、 いいんだよね。 |
author : tanizawa-k
|
| 日常 | comments(4) |
|