長崎→唐津→博多 | 今のところではありますが…
<< 変わらない、それもあり。 | main | <回復する練習> >>
長崎→唐津→博多

【2014.04.30 Wednesday 11:08
ゴールデンウイーク前半で、
長崎→唐津→博多と廻った。

今回は電車を使っての旅。
いつも車だと持ちたいものを持ちたいだけ持っていくが、
今回は準備の段階から、いつもとは違い、厳選。
新鮮。

また長い移動の時間に本をいっぱい読むことができた。
ここのところ仕事の関係の本ばかり読んでいたので、
小説を読む幸せを感じた。


長崎では親切な男性が印象的。

市電の乗り方など、停留所の方が教えてくれるし、

平和記念公園では、
例のあの像を前に記念写真を撮っていると、
 そこが正面じゃないよ。
 原爆が落とされた、この方角をむいてる。
 だからここが正面。
 写真撮りましょうか?
と声をかけてくれた男性がいた。
その辺りの地図もくれた。

市電の中で出会った男性は、
家族で地図を見ながら迷っていた人たちに、
どこで下車してどう乗り換えてと
親切に教えていたし、
混んできた車内で若い女性が出口に
向かおうとして困っていると、
周りの方に、「通してあげて」
と声をかけていた。
若い男の子がポケットから落とした
一日乗車券を拾ってあげていたし、
あちこちに目を配りながら、
自分の役に立てそうなことを探している様子。
この方は幸せな人生なんだろうなあと思う。
手の平を彼の方にむけて、
なんていうか温かさに当たりたくなる感じ。

こういうことに出会うと、
その土地自体が優しく思えてくる。



唐津の特筆は「洋々閣」。

明治からの料亭旅館。
ジャック・マイヨールさんの定宿としても
有名だったらしい。
中里隆さんの器に盛られたお料理と、
檜の香りのお風呂。
「ちゃんとしてる」ってことって
本当に気持ちがいいと思う。

長崎から佐賀まで「白いツバメ」という特急。
佐賀から各駅停車で唐津へと。
長い移動の時間に村上春樹さんの
「女のいない男たち」を読む。
「ドライブ・マイ・カー」という小説の中に、
お酒の飲み方についてのくだりがあった。
「世の中には大きく分けて二種類の酒飲みがいる。
 ひとつは自分に何かを付け加えるために
 酒を飲まなくてはならない人々であり、
 もうひとつは自分から何かを取り去るために
 酒を飲まなくてはならない人だ」
私は飲まなくては「ならない」人では
全くないけれど、
どちらかといえば「付け加える」派だなと思う。
どんなに恥ずかしいことでも、
どれほどのイヤな出来事も、
自分の身の上に起こったことを、
忘れてしまうのはなんだかもったいない
ように感じる。
って、それは、あなたが忘れてしまいたいような
出来事がなかったからだと言われそうだが、
そんなこともない。
私にも、結構不運なこともあって、
それはもう二度といやだけど、
でもそのことをなかったことにはしたくない。

で、
「洋々閣」でお酒と食事をいただきながら、
それは本当においしくって、
夫となんだかんだ言いながら、
「別に『付け加え』なくてもいいか」と思う。
今の、このままで十分な気がした。



博多はディープ!
ホテル・イル・パラッツィオに宿泊したが、
ここのおすすめのもつ鍋屋さんがすごかった。
ホテルはイタリアな意匠なので、
ちょっとどきどきというか、おしゃれな店だったら
困ったなというどきどき。
(もう、おしゃれな感じは全くいらないから)
「もつ鍋 なかむら」さんは、そんな心配は
まったくいらない、入った途端に、
「そうそう、こういうとこに
来たかった!」という、
まさに求めていた店だった。

メニューはもつ鍋のみ。
カウンターに備え付けの「ごとく」。
奥の座敷からは「とっととー」的な
博多のいい感じの言葉が聞こえる。
ジャズが流れていて、カウンターの奥には
すごい量のジャズのCDが並んでる。


もつ鍋はお醤油ベースで「さっぱり」がぴったり。
ホルモンについた油は丁寧に取り除いているんだろう、
油っぽく、まったくない。

ただ、本当に残念なことに、
仕入れの関係で、予約時に「3人前でよければ」とのことだった。
(平均して一人2〜3人前食べるそう)。

まだまだ序の口というところで、
後ろ髪ひかれながら次の店へ。

「なかむら」さんの場所を確認する際、
ホテルの方から渡されたフリーペーパーの中から
さんざん迷って、
「みすみ」さんというホルモン串の店に。
カウンターのみで、7〜8人座ればいいっぱい。
二つの平たい鍋があって、
ホルモンの串が並べてある。白味噌のスープが、
いかにもおいしそう。
小鉢にいっぱいのネギが100円。
一本にセンマイや小腸など
いろいろなホルモンがさしてあってひと串190円。
店主の朴訥した感じもいいし、
カーテン一枚で生活がある空間も、
なんだかいい。
七味をいっぱいかけて、
串をいただきながら、
旨味が十分に溶け出してるスープも
いただく。

味もいいけど、
両方の店の、
ディープさ加減がすごくよくって、
大満足の夜。

それにしても
ホテル・イル・パラッツィオのスタッフの方々の
「私メッセージ」は気持ちよかったなあ。
「おすすめのもつ鍋屋さんある?」
「ラーメンはどこに行ったらいいだろう?」
という質問は、
よくされる質問でもあるし、
ちょっと困る質問でもあると思う。
味覚って人に寄って違うもの。
でも、ここのスタッフの方は、
誰もがものすごく明確に、
「私が好きなのは」
とか
「私がよく食べにいくのは」
など、
一般的ではない(ガイドブックに
のっている訳ではない)、
ご自分の好きなところを教えてくれた。
そして全て大成功。



帰りの新幹線で読んだのは
「人生相談。」

とっちらかっていたものが、
どんどん繋がっていく過程が
めちゃおもしろく、
途中からやめられなくなって、
浜松で読み終わる。

中に正義感が強く、
人の役に立つことに一番の価値をおいている
女性が出てくる。
彼女と長崎の市電の中の男性が重なったり、
その彼女のこだわりの姿勢が
ホルモン串のご主人の丁寧な仕事ぶりに
繋がったり。

おもしろいな、
ひとつのパズルのような旅だ。


さて、私のゴールデンウイークは終了。
今日からまた仕事の本を読む。
にんじんジュースから一日を始め、
そして、次から次へとやることがある
日常。それも幸せ。
それがあるのが幸せ。

早速、明日の仕事に備えるには、
なんとちょうどいいのだろう、
今日の雨。
 
真梨 幸子
講談社
¥ 1,620
(2014-04-15)

author : tanizawa-k
| 日常 | comments(0) |

スポンサーサイト

【2018.12.09 Sunday 11:08
author : スポンサードリンク
| - | - |

この記事に関するコメント
コメントする










谷澤 久美子
counselor