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昔の映画が違って見えた。

【2014.03.06 Thursday 11:15
月曜、火曜とテレビで昔の映画を放送していて、
見た。
「追憶」と「クレイマー・クライマー」。

二本とも、若い頃に見たときと感じ方が違って、
自分でおもしろくなってしまった。

「追憶」は、
バーバラ・ストライザンド扮する
政治活動に熱中するケイティと、
ロバート・レッドフォード扮する
普通の大学生ハベル。
大学時代に出会った二人だけど、
正反対の生活をしている二人には
あまり接点がない。

スペインの国状に関して無関心な大学生に対する
ケイティの演説、
「私がこわいのは、傍観者だ」
に心動かされるものの、ハベルは
リッチな友達たちと飲んだり遊んだり
スポーツしたりして楽しむ日々。

そんな二人が第二次世界大戦中に
ニュ−ヨークで偶然出会い、戦後結婚する。
ハベルは作家、脚本家になり、
ハリウッドに移り住む。
ハベルを愛していて、
彼と共に生きるには
自分の信条を貫くことをあきらめるケイティ。
政治的な活動をしないことで
彼や彼の友達たちとの暮らしに
折り合いをつけてたが、
時代は変化していく。
ハリウッドで共産主義狩りが始まるのだ。

そうなると、
ケイティは自分の政治的信条を
押さえきれない。
子どもを身ごもっていたけれど、
二人は離婚をする。

何年かたち、ニューヨークの街中で、
偶然、二人は再会する。
チラシを配るケイティと
テレビの世界に入っていたハベル。
ハベルの隣には、
おだやかに微笑む再婚相手。

この映画を最初に見たのは、
多分、中学生の頃だと思う。

私はその頃、家の継承問題で悩んでいて、
自分のやりたいことと、
周りから押し付けられる価値観の狭間で
常に悩みを抱えていた。

だから、
自分を活かして生きることを選んだケイティを
自分のパートナーとして選ばなかったハベルに、
本当にがっかりした。

意見や主張などがあまり感じられない女性と再婚して、
その暮らしは穏やかだけど、
でも、何に対しても意見があったケイティを失ったことに、
ハベルには思い切り後悔してほしいって願ってた。
でも、どうやらそうではない、
なんとなく淡々としたラストシーンに、
やるせないような気持ちになったものだ。

私はケイティになりきって映画を見ていた。
その後、何度かこの映画を見ているが、
見るたびに、
やっぱりおもいっきりなりきって見ていて、
最後はいつも、
この女性のすばらしさを理解しないハベルに、
なんというか、
「狭い男だなあ」と考えることで、
自分を納得させていたと思う。

なんだけど、
今回、改めてゆっくり見て、
自分を押し殺していたのはケイティだけではなく、
本当は本を書くということに積極的ではなかった
ハベルが、
ケイティの期待に応えようとしていた姿、
つまり、折り合いをつけてたのは、
両方だったんだってことに、
ほんとに恥ずかしいんだけど、
初めて気がついた。
あまりにもケイティになりきり過ぎて、
見えてなかったんだと思う。

さらに、パートナーとして一生を暮らせなかったことに、
ケイティだけが残念な想いをもっていた訳ではなくって、
ハベルも、ケイティの自由な活動を支援できなかった自分に、
ちょっとした情けなさも持っていて、
でも、その一点だけはどうしても譲れない一点だったんだって
すごく分かった。


私は時々思い込む。
中学生の私は、
「周囲からの価値観の押しつけ」に、異常に反応し、
ソレ以外のところに目がいかなかったのだろう。
それ以後何度か見たけれど、
そういう映画として決めつけて見ていたから、
「思い込み」が働いてしまったんだろうな。


「クレイマー・クレイマー」も、
子どもを置いて出て行った母親が、
自分の都合で子どもを取り戻したいと
いうのはいかがなものか?
という映画だと思っていたが、
そんな善悪のストーリーでは全然なかった。
幼い頃の私は
「どっちが正義か」という価値観の
中にいたんだよなあ。

今見ると、
母親の苦しみも、すごくよく分かった。
彼女には彼女の背景があって、
子どもを残して家を出たときは、
そうせざるをえない結婚生活があった。
それまでのキャリアを捨てて、
夫が望む「妻」「母」を強いられることの
辛さ。

ただその辛さはすごく分かるけど、
もし、彼女にコミュニケーションの能力があって、
子どもを置いて出るという選択をするようになる前に、
少しずつ、夫の価値観も受け止めながら、
でも毅然と「私はこうしたい」という対話ができていれば、
どんなによかったかと思う。



本も映画もドラマも、
結局は自分の読みたいように読み、
見たいように見ている可能性がある。

主人公以外の人の事情や背景を描いているから、
少し広い視点でとらえられる本や映画でさえ、
私の場合、そうだったのだから、
自分の人生の中の出来事は、
結構な思い込みや考え過ぎや、決めつけがあるかもって、
分かっておきたいと思う。

私のように
そういう傾向が強かったから、
過去の出来事の検証を、
まあまあバランスがよくなってきた時点で、
やってみることをおすすめする。

もしかすると、すごく嫌な思い出の、
違う側面が見えてくるかも。
ただ、一人で検証するのも大変だから、
安心できる人と一緒だといいかも。







 
author : tanizawa-k
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【2019.09.06 Friday 11:15
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谷澤 久美子
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