「世界にひとつのプレイブック」 | 今のところではありますが…
<< 「あん」 | main | すぐそこに。 >>
「世界にひとつのプレイブック」

【2013.04.29 Monday 17:08
映画「世界にひとつのプレイブック」を観る。
評判通り。

精神科から退院してきたパットは、
元妻とよりを戻したくてたまらない。
元妻の浮気の現場で、相手を殴り倒してしまったパットは、
躁鬱を持っていたことで精神科に入院していたのだ。
今は、元妻や勤務場所には近づいては行けないという
罰を受けている。

そんな彼に友人の妹が近づいてくる。
彼女は夫を亡くした後、
勤務先の男性11人と関係を持ち、
それが原因で仕事を失っていた。
彼女自身も精神疾患をかかえている。

彼女はパットに興味を持ち、
元妻に固執しているパットに、
元妻との間に入るという条件で
出場したいと思ってたダンス大会のパートナー
に仕立て上げることができた。

2人はダンスの練習に没頭する。


この映画を見ていて、
ドラマセラピーの佐知先生に教えてもらったことを思い出す。
「アートセラピー、ミュージックセラピー、ドラマセラ
 ピー、ダンス・ムーブメントセラピー、表現アートセ
 ラピーなどの総称を
 クリエイティブ・アーツセラピーという。
 クリエイティブ・アーツセラピーでは、病理そのものに
 焦点を当てるとよりも、相手の中にある『健康になろ
 うとする力』を引き出すことを大切にしている」

精神疾患を抱えている2人は、
何かあると感情が爆発してしまい、
時間やところなどかまわずにキレてしまう。
そういう
疾患をもちながら、
2人でクリエイティブな作業に取り組む。
協力しあい、
からだを動かし、
感情を使い、
表現する。
練習を重ねるほど、
もっともっと上手に表現したいという思いが
強くなる。

もちろんパットはカウンセリグに通い、
薬を使いながら治療に努めているけれど、
このダンスに取り組むことが、
パットと彼女の、
健康になろうとする力を引き出していることは、
よく分かった。

多分、
からだも心もまんべんなく使うし、
自分も大切にし、
一緒に取り組む相手も尊重するし、
一人の人まるごと、
否応なく万遍なく使うのが、
いいのかなあ。


そんな中彼女はパットに言う。
「私は過去も含めて、自分が好き。
 あなたはそう言える?」と。

多分、そんな視点をパットはその時
初めてもったと思う。

他者と深く関わるということは、
そういうことが起こるんだなあ。
思ってもみない問いかけに、
たじろぎながらも、
自分を振り返るパット。


そして自分が、今愛しているのは、
元妻ではなくて、
目の前にいる彼女だって
だんだんと分かっていく。


私自身、
今精神疾患は持っていないけれど、
100%大満足な状態ではない。
特に年齢によるからだの変化の大きさに、
結構凹むことも多い。
そういう時に、
「だから、そういうことに
 慣れてから何かに取り組む」という考えより、
「今のこの状態で凹みながらも、何かをやる」
という考えが好き。

もちろん疾患の重大さによっては
しっかりと治したり癒したりすることが
優先的ってことはあると思う。

ただ、私自身は、
この2人みたいに、
「今の自分」で、今できることに取り組むってのが、
いいと思うんだ。





もう一本、
こちらはレンタルしてきた映画を見た。
フランス映画で「みんな一緒に暮らしたら」
という映画。
高齢のカップル二組と、高齢の男性一人の
5人の友だちたちが一緒に暮すストーリー。

私の友だちには、
うちを含め子どもがない夫婦も多いし、
シングルの友だちも多いから、
こんな暮らし方は、憧れだ。


映画の中では、
犬の散歩中にころんで救急車で運ばれ、
入院している友だちを見て、
こんなところに入れておけないと
連れ出したり、
心臓の発作で倒れた友人を子どもが
高齢者福祉施設に入所させたが、
見舞いに行った友人たちが、
やっぱりこんなところに友だちを
いさせられないと連れ出し、
そうやって一緒に住み出したのだ。

友だちとはいえ、
考え方も価値観も違う。
過去にはいろいろなことがあった。
持っている病気もそれぞれある。
認知症の症状も人によって違い、
できることの範囲も人によって違う。

でも、ルールなどは特別作らず、
少しずつ遠慮しながら、
少しずつ主張もしながら、
それでも、お互いを思いやって
一緒に生きていける家があるって、
とってもいいなあ。

つまりこの映画も、
問題解決型ではなくて、
問題と共にどう生きていくか、
問題をどう捕らえていくかを
大切にしている姿を表現している。


映画のラスト。
一組の方のカップルの妻が亡くなってしまう。
夫は認知症が進んでいる。
彼は妻の名前を呼び、妻を探している。
友人たちは、
そんな彼を笑いもせず、とがめたりも、
諭したりもせず、
彼女の名前を一緒に呼んで、一緒に探す。

そういうことが、
彼を安心させるし、
それがまた仲間たちの有り様を深めていくし、
映画を見てる者の心にも、
支え合うことの意味を知らせる。


両方とも、いい映画だったです。













author : tanizawa-k
| 映画 | comments(0) |

スポンサーサイト

【2019.09.06 Friday 17:08
author : スポンサードリンク
| - | - |

この記事に関するコメント
コメントする










谷澤 久美子
counselor