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駅伝/手紙/批判の表現

【2012.01.05 Thursday 09:22
3〜4日のあれやこれや。

<箱根駅伝>
東洋の監督は、昨年の21秒差の2位から、
総合優勝を奪還するために、
3つの柱を作って今年の箱根駅伝を向かったそうだ。
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ひとつめは、
「一秒を削り出せ」

このコピーはすごく大きな力をもっていると思う。
昨年の早稲田には1キロ3分で
走っていても及ばなかったんだそうだ。
それで監督は1キロ2分50〜55秒で走ることを
目標にかかげる。
ただ、これをそのまま目標にかかげるより、
「一秒を削り出せ」の方が力強く訴えるものがある。
そこには、負けた悔しさを思い出す+αが
あるからだと思う。
21秒で負けたってことは、
10人それぞれがあと2秒早く走っていたら、
可能性があったかもしれないのに、
それができずに負けた。
その悔しさが
「一秒を削り出せ」の中にこもっている。

しかも、「一秒を削り出せ」は、
相手は関係ないい。
相手との勝負ではなく、
一番良いタイムの自分との勝負だ。
練習で良いタイムを出したら、
またその自分から一秒を削り出すのだ。

あ〜すごい。

二つめの柱は
単なるランナーではなく、
トップアスリートとしての自覚だったらしい。
特にそれは食事の管理に顕著だったとのこと。
甘いものをひとかけら食べたら、その分余分に
練習する。
また試合前のコンディションを整えるための
食事の取り方も学び、実践する。
最初は栄養士の方によって指導してもらったことを、
選手一人一人が習得して、
一人一人が自分のからだをマネージメントできるように
なっていったらしい。
それはそうだよなあ。
それぞれ自分のスタート地点近くで宿泊するだろうから、
自分の面倒は自分でみなくてはいけないだろうしなあ。

三つめの柱は
監督と選手の間のコミュニケーション。
4日の朝、
テレビのインタビューの中で、監督は、
「外した選手のケアをしっかりやってきた」
と言っていた。それは自身も4年の最後の箱根で、
下級生の方が調子がよく、その日の朝外された経験を
もっているからだと。
(しかし、同時に、その外された経験は、ちっとも悪い
 ことではなく、その後の自身の成長に大きな力になった
 とのことだった)
自分の体調を正直にいえないと、
とんでもないことが起こりかねない箱根。
その日の朝、急に調子が悪くなることもあるだろう。
それをきちんと伝えること。
それは、その日に急にできることではなく、
それまでの練習の中で、いかに個を見て、
いかに個と話してきたかだと思う。

今年の箱根も本当に素晴らしかったなあ。


<フェルメールからのラブレター展>
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで行われている。
17世紀のオランダ絵画から、「手紙」を通して
当時の人々のコミュニケーションについて考える展覧会。
フェルメールの作品は3点のみだったが、
この3点がすばらしい。

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一枚は、
窓際で手紙を書く女性と、召使いの女性の絵。
召使いの女性には彼女が書き終わったら
それを出しにいく役目があるのだろう。
退屈そうに外に目をやっている。
きっと、彼女がどんな内容の手紙を書いているのか、
ちっとも興味がないんだろうな。
そんな二人の距離感みたいなものも伝わってくる。

一枚は、
黄色のドレスの女性が装身具をいっぱい身につけて
手紙を書いている絵。
画家目線っていうか、こちらを見ているその瞳は
輝いていて、しかもうっすら笑みを浮かべている。
窓からの灯りがうっすらと室内に入ってきていて、
その中でイスの鋲がキラキラ光ってる。

一枚は、ラピスラズリの青のドレスをまとった
女性が、複雑な表情で手紙を読んでいる絵。
当時の手紙の事情を考えると、
やりとりするのに何ヶ月もかかったりしたことも
あっただろうから、きっと待ちわびていたんだと思う。
やっときた手紙を暗い部屋の中で、
光のある方に向かって読んではいるけど、
彼女の横顔は、どことなく悲しげ。
お腹が大きいから身ごもっているのかな?
お腹の子の父親からの手紙なのかな?
よくないことが書いてあるのかな?
いろいろ考えてしまうと、
なかなかこの絵から離れるのが、一苦労だった。

フェルメールの描く女性は、本当に品があって、
そばにいくと、
こちらの動作までゆっくりしてくるよう。

そうか、
「品」って、
「ゆっくり」と関係あるよなあ。

早く白黒つけたかったり、
今結果を知りたかったり、
できるだけ早く目標までいきたいけど、
そう望みながらも、
今はまだグレーな状態、
今はまだ知らないこの時、
今はまだ目標への過程、
それを、
いかにはやる気持ちをもちつつ、
過ごすことができるか?

せっかちな私には、あこがれだなあ。


<ゴヤ展>
「着衣のマヤ」を見る事ができるゴヤ展。
ゴヤは宮廷画家でありながら、
体制への批判、戦争への批判、そして
宗教者への批判的な表現をしていた。
それって、すごい。
戦争の時には、国のお抱えの画家として
スペインがいかに勝利を納めているか、
戦意を高揚させるような版画を求められているのに、
市井の人々がいかに苦しんでいたかを描き出してる。
それがリアルで、ストレート!
同じように、宗教者の堕落を告発する版画も、
強烈に攻撃的だ。
すごい勇気だと思う。
もちろん、
着衣のマヤの目力には圧倒されるし、
彼の描く肖像画は、そのものというよりも、
その人物の強みのようなものを描いていたんだろう
と思わせるものがいくつもあって、見応えたっぷり。
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author : tanizawa-k
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【2020.06.05 Friday 09:22
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谷澤 久美子
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