減点法 | 今のところではありますが…
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減点法

【2011.05.20 Friday 08:15
学校の活動の中で、
教育委員会から求められている仕事のひとつに、
先生達へのコンサルテーション
というものがある。

コンサルテーションの場への主な参加者は、
一人の子どもの問題に対し、
担任などその子にかかわる先生が、
教育の専門家として参加、
私たちのような者が心理職の立場からの参加、
校長や教頭などが管理職の立場からの参加、
保護者の方は、その子のこれまでの育ちを
よく知っている者として参加、
カラダの専門家として保健室の先生、
あるいは医療にかかっていたら、医者・・・
と様々な専門家が参加する。
(参加者の組み合わせは必要に応じて変化)

またケース会議と呼ばれる、
一人の子どもに対し、
かかわる大人全員が、
共通の目的をもって、
やるべきことを明確にし、
役割分担をしたりする会議でも、
コンサルとしての発言を求められたりする。

私は、そういう場で専門家としての発言を
求められるとき、

以前の自分がやってきたことを振り返り、
それはとても残念だったなと思う。

というのは、
減点法の視点が
むくむくと湧いていたのだ。

その関わり方がだめ。
この目標設定では、ここが無理。

多分
その頃の私の底の方に、
役に立つ人間だと思われたいって気持ちがあって、
「役に立つ人=エラい人=問題を指摘できる人」
みたいな図式があったんだと思う。
やっかいな思い込みであ〜る。

でも、指摘するだけでは問題は解決しないと、
もういろいろなことで分かってきたし、
疲れて気持ちがなえるケース会議は、
会議後からの何の力にもならないことを
さんざん知ってしまっていた。

そして、
アサーティブネスの理論を知ることで、
そういう減点法が頭に浮かんだとしても、
それを単純にはやらなくなり、
そういう現場が私のトレーニングの場になった。

しかし、この減点法。
いろいろなところで、
刷り込まれて生きていると、
私は思う。

たとえば、小学校の中学年くらいまでは、
宿題で出たドリルの答え合わせは親がやることに
なっていたりすると思うが、
多分、担任の先生は、
その方が親子の会話が増えるだろうとか、
できていることを見つけて親が子どもを
いっぱい褒めてあげてほしいという考えや、
個人的につまずきを解決していった方が
授業の理解もいいだろうということで、
この方法を進めていると思う。

ところが、間違いを指摘し、
正しく改めさせるためだけにやっている親御さんも多いと聴く。

そして、
それは、だからって、
その親御さんが悪いんじゃない。

なぜ○付けを家庭にお願いするのかの目的を
明確に伝えない学校の課題であったり、
間違いを直すことこそ良い成長に繋がると
信じる親側の思い込みを育てた環境などが
あったんだと思う。

ただ、少なくとも、
ドリルの答え合わせで、
合っているところを褒められることなく、
間違ったことを叱られる体験ばかりを積んでいった子は、
減点法が、人が成長していく時の方法と思うだろう。
そして、
自分の子どもに対しても、
そうする可能性は高いと思う。
(もちろん、全員そうとはいえない)

そんなふうに、
減点法ってのは根付いていき、
確かに今の社会の中にもあると思う。

妹がアメリカに住み始めた頃、
「お姉ちゃん、アメリカは、
 議会の最初に、前年度中で、
 アメリカのためになる法案を提出した議員や、
 国民のために良いことをした議員に対し、
 まず讃えるところから始まるんだよ。
 彼らが議会に入場する時、全員が立ち、
 拍手で迎えるんだよ」
と教えてくれてびっくりした。

加点法もあるアメリカの仕組み、
全部がいい訳ではちっともないけど、
やっぱり、そういうことを体感できるのは、
大切だと思う。



減点法も複雑なものがあり、
どこがマイナスかを伝えるために、
その前に良い点を褒めたりすることもある。
(加点を何も行わないよりましだけど・・・)

また、善意の減点法もある。

がんばらなければ廻っていかない必死な時に、
「あんまりがんばりすぎないで!」は減点法。

「そんなこと気にしなくていいんじゃない」は、
「気にする私が悪いの?」と減点された感じだ。



会議は、どんな会議でも、
会議を経てやる気を失ったら、
それは成功とはいえない。
自分のやるべきことははっきりしたが、
ちょっと立ち直れないくらい凹んだ・・・
では、まったく意味がない。

人生とは、
どこが悪いのかを探して歩く時間をいうのでない。


刷り込まれてきた思い込みをはがすのは大変だ。
私はアサーティブネスの考えを知ることで、
ある程度はがし、別の視点を取り入れることを
訓練できた。
それでもこれからも、
とっさの時や、イライラしている時には、
「減点した方がエラい」的な考えがわくことが
まったくないとは言えないだろう。
でも、そういう考えが湧きながらも、
本当にそれでいいの?と自分に問いかけ続けて
やっていきたいな。

そして、
「あなたが悪い」という言い方ではなく、
相手の問題解決が進むような指摘の仕方へのチャレンジを、
これからも続けていきたいものだ。









author : tanizawa-k
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【2019.10.11 Friday 08:15
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谷澤 久美子
counselor