一点のシミ | 今のところではありますが…
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一点のシミ

【2019.08.16 Friday 13:32

真っ白い壁を前にして立つ。

そこに一点のシミ(例えば5センチくらいの)が

あるとする。

壁のめっちゃ近くまでいき、

そのシミを目の前に、

シミだけに集中して、

そのシミだけを見ると、

目の前は真っ黒だ。

 

なんだけど、

2〜3歩下がって壁を眺めると、

白い壁のシミは

単なる一点の

ちっちゃなシミに過ぎない。

ほとんどが白いスペースだ。

 

 

〜なように、

日常の中で、

問題はいろいろ起きるけれど、

どうしたら、

その問題だけにとらわれず、

自分の毎日を真っ暗闇にすることもなく、

生活できるのだろう。

 

 

 

昨日は、

帰省した友達を含めた4人でランチした。

還暦前後の4人は、

それぞれ、

最近になって資格を取ったり、

新しい仕事についたり、

充実した趣味を持っていたりする。

この年齢になれば、

いろいろな問題はあるけれど、

問題はありながらも、

問題だけにとらわれずに

ちゃんと生活をしている人たちで、

約4時間おしゃべりして、

私はすっかり

活を入れてもらった感じだ。

 

逆に問題がなければ、

みんな、

こんな風にはしっかりと

自分の毎日を送れてないのかもしれない、

とさえ思うほど。

 

 

 

そんなようなことを言ってる人がいる。

 

平成を代表する経営者、

稲盛和夫氏は

「困難は愛が形を変えたもの」と言われたと

PRESIDENTOnlineの記事にあった。

「人生にはいろいろな困難がつきものです。

 それを嘆くのではなく、

 『自分を成長させるために神様が与えてくれた、

 神様の愛が変形したものなのだ』と考える」

のだそうだ。

 

「神様の愛が変形したもの」とは

さすがに

そこまでは

私には思えないけれど、

それでも、

「困難があってもそれにとらわれずに生きる力」も、

筋肉と同じように、

使わないと衰えるのではないか?

 

ランチした友達は、

なんというか、

一層力強く、

一層暖かく、

一層尊敬する人なんだけど、

問題を力にする筋肉が、

ますますついているのかもなあ。

 

その力があるってことは、

壁のシミ以外の

真っ白な部分を

ちゃんと見てるってことだ。

 

 

 

有森裕子さんの、

小出監督が亡くなった時の

コメント。

彼女は

故障して落ち込んだ時、

監督の言葉に救われたと

インタビューに答えてた。

「『物事に意味がないものはない。

 どんなことが起きても、

 せっかく(故障したのだから)と

 (プラスに)思え』といわれて

 故障に立ち向かえた。

 監督からの一番の言葉だった」

 

「なんで(この時期に怪我しちゃったんだ)?」

と考えるのではなく、

「せっかく」って考えること、

これを素直に受け入れた有森さんが

さすが一流のアスリートで

すごいなって思う。

 

 

卑近な例で言うと〜〜〜

 

我が家では洗濯機が壊れてしまって、

新しいものを購入したのだけど、

配達してもらえる日が限られていて、

その日は本当は用事があったけれど、

洗濯機が使えないのはとても困るので、

用事の方の変更をお願いし、

1日家にいることにした。

 

「もう〜、なんで!(怒)」

なんだけど、

「せっかく家に居られるから」

と考えると、

こりゃ、ちょっと儲かった気分にもなる。

 

あまりにも小さい例で恥ずかしいけど、

そんな感じに使ったらいいんだろうなあ。

 

 

 

先日読んだ

「スタンフォード式最高のリーダーリップ」

という本の中には、

日本の伝統技術「金継ぎ」の話が出てきた。

 

(金継ぎ(きんつぎ)は、

 割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を

 漆によって接着し、

 金などの金属粉で装飾して仕上げる

 修復技法である。

 金繕い(きんつくろい)とも言う。Wikipedia)

 

破損部分、つまり問題を

逆に価値に変えてしまう方法。

 

先の本の中では

「人生でいくつか傷ついても、

 傷を隠すのではなく、

 『自分の大切な部分』にできる」

と書かれている。

 

そんな風に

自分の失敗も弱さも問題も、

金継ぎのような力強い美しさにできると

考えることができたら

すばらしいなあ。

 

 

 

NHKラジオの「すっぴん」で

麒麟の川島さんは、こんな話を紹介してくれた。

ある時、相方の田村さんが、

もう何百回となくやっている漫才の途中で、

セリフが飛んでしまい

間が10秒空いてしまったのだそうだ。

その場はそれをネタにして笑いをとったんだそうだ。

楽屋に戻って、

田村さんに理由を聞くと、

「一番前の席の子の食べてたお菓子が

 気になった」とのこと。

 

私が驚いたのはここから先。

 

川島さんは

「20年コンビ組んで、

 まだまだ田村の知らない一面が

 あるなあと思った」

と言ったのだ。

 

この田村さんの失敗を、

「緊張感ないな!もっとちゃんとやれよ」

と怒るのでも責めるのでもなく、

「田村さんを知る材料」として捉えたって、

参ったな!と思った。

 

 

 

Facebookでフォローしてる

さとなおさんは

ある時、

「Always look on the bright side of life」

というモンディ・パイソンの大ヒット曲を

紹介してくれてた。


「『おい、人生の明るい面を探してみろよ』

 と教えてくれるのだ。

 いま、悩んでいるんだろう?
 そういうときは、ブライト・サイドを探して、

 そこを見るようにすればいいんだよ、って」

と。

 

 

 

何かのテレビ番組に

武田鉄矢さんが出ていた。

中継先で91歳の男性が

「自分は4つのことを大切にしてる」

と言い、

ふむふむと聞いてる武田さん。

取材してる方が

「4つとはなんですか?」と質問すると、

これまた残念なことに、

3つしか出てこなかった。

あちゃ〜な場面だ。

するとそこで

武田鉄矢さんは言ったのだ。

「一つくらい忘れた方が

 いいんですよ。

 明日思い出すかもしれないと、

 生きる気力につながるから」

いやあ、

恐れ入ったフォロー。

 

 

 

 

一点のシミの

目の前に近づいて、

そのシミだけしか目に入らなくなってしまうことも、

人間だからあると思う。

そうせざるを得ない時が、

人にはあるかもしれないなあ。

シミを見ればみるほど、

じわじわと広がっていき、

それが記憶に残ってしまう場合もある。

 

 

「あふれでたのはやさしさだった」

という本は、

奈良少年刑務所で行われていた、

作家・寮美千子の「物語の教室」についての

ノンフィクション。

この夏一番涙なみだ・・・の本だった。

 

「絵本を読み、演じる。
 詩を作り、声を掛け合う。
 それだけのことで、

 凶悪な犯罪を犯し、

 世間とコミュニケーションを

 取れなかった少年たちが、

 身を守るためにつけていた

 『心の鎧』を脱ぎ始める」

とamazon。

 

寮氏に「物語の教室」を依頼した

統括はその理由を、

「『彼らの物語を書き換えてあげたかった』

 という。

 苦しみに満ちた悲惨な記憶のなかにも、

 きっと美しい記憶、愛された経験が

 あるはずだと。

 ほんのかけらのような小さな記憶でもいい、

 そこに光を当て、

 『愛された経験』を取り戻すことで、

 『悲しみを悲しみとして受け止める感性』や

 『人間らしい気持ち』を取り戻してほしい。

 そうすればすべてを怒りに変えて、

 犯罪に向かわなくてもすむようになる

 はずだ」と。

 

 

寮氏やスタッフの先生たちは、

多分「もの言えば唇さみし」の経験しか

してこなかった少年たちに、

安心安全の場を作った。

 

「正解を言わないといけない」という

不安や恐怖もない。

「言いたくない」と言うことで、

「よくそう言ってくれたね、

 あなたは言わなくていいという選択肢を、

 この場に与えてくれたんだよ」と

受け入れてもらえる

そういう場。

 

そういう場で、

ほぐされていく心。

 

過去の

シミ以外の思い出を

言葉にしだす少年たち。

 

そのことで今現在の

ありようが変化していく

少年たち。

 

あ〜素敵だなあ。

 

 

 

そうやって、

問題や困難があったとしても、

それを分析することだけに集中するのではなく、

それを解決することだけにこだわったりするのでもなく、

問題や困難があったとしても、

日常の生活をやっていける力を

つけていかれることが、すごい。

 

 

 

 

 

シミだけしか目に入らない

そういう時があっても仕方ないけれど、

 

人間って、

それでもなお、

いろいろな考え方ができるんだ。

いろんな方法がとれる。

 

そういうことも可能なんだ。

 

 

そして、

シミしか目に入ってない方の

そばに寄り添って、

そっとサポートすること・・・。

 

白い壁の、

シミ以外に視点を持っていくことを

支えること。

 

あ〜

難しいなあ。

でも、やれるといいなあって思う。

 

 

 

4人で集まるのは、

盆正月の年2回。

元気でいないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

author : tanizawa-k
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【2019.09.06 Friday 13:32
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谷澤 久美子
counselor