正しいことを口にする時。 | 今のところではありますが…
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正しいことを口にする時。

【2019.03.16 Saturday 02:28

静岡駅から新幹線に乗ると、

隣の座席の青年が電話でしゃべっていた。

 

注意しようかな?と考えながら、

そのうち切るだろうと、

そのままにしていた。

 

読書に集中していたので

気にもならなかったが、

フッと気づくと

三島をすぎても話してる。

 

居心地悪くなってきた。

 

ここは

大人として

注意した方がいいだろうか。

しかし、自分だって若い頃、

電車の中で友達と騒いだ記憶がある。

マナー違反なんていっぱいしてきた。

自分のことを棚にあげるの、

かっこ悪いなあ。

しかも

注意して逆ギレされても嫌だしなあ。

それに今しとかないとならない話なら、

仕方ない。

そう思っとこうか・・・。

 

なんて考えながら

聞き耳立ててみると、

横浜の大学に入学が決まったようで、

この春から一人暮らしをするらしい。

どういうバイトをしようかと

友達に相談してる。

 

って、それ、

今じゃなくてもいいじゃん。

 

私はノートに

「新幹線の中でスマホで話す時は、

 デッキでね!」

と書き、

肩をチョンチョンとした。

びっくりした様子で

こっちを向いた彼にそれを見せると

困った顔でぺこんと頭を下げ、

すぐに電話を切った。

私は、

「喋りたいの、わかるけど、

 切ってくれて、ホッとした」

と言い、

読書に戻ろうとした。

 

と、

彼はSNSだろうか、

めっちゃ入力してる。

 

もしかして私のことをディスってる?

Twitterで

「隣 ばばあ 文句」と検索してみた。

出てこない。

「ばばあ」を「おばさん」にしてみた。

出てこない。

「うるせえ ばあさん」にしてみたが、

出てこない。

 

ラインで友達との間では

いろいろ言ってるかもしれないけど、

公につぶやいてないのが、

いいヤツに思えてくる。

(それとも、私の検索能力が低いのか!)

 

とにかく

私は無事読書に戻った。

 

その後、

横浜駅で立った彼に

「素直に聞いてくれて、

 ありがとね」

というと、

「すいませんでした」

と言って降りてった。

 

後ろ姿を見送りながら、

私が若い頃だったら?と考えてみた。

 

私だったら

席を移動したと思う。

気まずくって

いたたまれなかったと思う。

 

指定席ってのもあったと思うけど、

あの席にとどまった彼。

 

とどまれるってすごいなあ。

 

これから、

いろいろな人に

いっぱい

いろんなことを教わるんだろうな。

自分のことを正当化したり、

マナーに反抗したり、

常識を疑ったり、

私もそうだったように

きっと周りに迷惑かけながら、

恥ずかしい思いもしながら、

ゆっくり大人になっていくんだろうな。

 

 

 

それにしても、

正しいことを言うのって

難しい。

 

 

以前、自治会の組長の時に、

組内のアパートに越してきた若いカップルに

「組に入って欲しい」と伝えにいった時の

苦い思い出。

 

 ゴミ、出しますよね?

 びんや缶やペットボトルも

 出したいですよね?

 災害の時の避難場所などの確認を

 回覧板で回しますが、

 それなくていいんですか?

 組費はかかりますが、

 近くに住む者どうし、

 何かあった時には助け合うんだし、

 組に入った方がいいんじゃないですか!

 

 

面倒臭そうな相手の表情を見ながら、

それでも説得をしながら、

ふっと途中で浮かんだのは、

詩人吉野弘さんの「祝婚歌」の一節だった。

 

「正しいことを言うときは
 少しひかえめにするほうがいい

 

 正しいことを言うときは
 相手を傷つけやすいものだと
 気づいているほうがいい」

 

思い出せてよかった。

私はその後、

ちゃんと詫びることができた。

 

 ごめんなさい。

 なんか、熱くなっちゃいました。

 もし入ってくれるなら、

 書類に記入して、

 うちのポストに入れておいてください。

 入らないなら、

 この書類は処分してくださいね。

 

この件を夫に言うと、

「あなた、東京で一人暮らししてた時、

 勧誘されたら入ってた?

 入らないでしょ」

 

本当にそう。確かにその通り。

そういうもんだわ、若い時って。

 

 

 

正しいことを言うのは、

難しいなあ。

「自分が正しい、相手が間違ってる」

「間違ってる相手を正したい」

という思いでいっぱいの時は

「正論」を武器にして

戦ってしまっている可能性に気がつこう。

相手に

「マナーに反する非常識」

「周囲に合わせられない未熟者」

などとレッテル貼ってるうちは、

発信するのを控えよう。

 

レッテルを剥がし、

「そういう人」ではなく、

「その行動」に的が絞れた時、

発信し時なんだろうなあ。

 

 

 

4月になると、

新人さんがいろいろな場に入ってきてくれる。

緊張でいっぱいだろう。

不安もあるだろうな。

せめてその場に慣れている者は、

正論を振りかざし、

正しさで追い詰めるのではなく、

 

「正しいことを言うときは
 少しひかえめにするほうがいい」

 

を頭に入れておきたいな。

 

 

 

 

彼が隣で電話してくれていたおかげで

いろいろ考えたぞ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

ホワイトデイに夫からお返しでもらった↓

何はなくとも「柿の種」!

 

 

 

 

 

 

 

author : tanizawa-k
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【2019.09.06 Friday 02:28
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谷澤 久美子
counselor