大人の言うことを聞け!いいや、聞くな! | 今のところではありますが…
<< ギリギリ癖 | main | 拮抗! >>
大人の言うことを聞け!いいや、聞くな!

【2018.08.08 Wednesday 08:43

小学校中学年を担任している先生と、

子どもたちに「〜〜について考えて」と

問いを投げかけることの難しさの

話になった。

 

その発問だと、

何をどうすることが考えることなのか

わからない子もいる。

 

なので、

「例えばね」と例を出す。

そうすると、

その例に引っ張られてしまう子もいて、

子どもたちの発想は

教師の考え以上には広がらないこともある。

 

段階を踏んで考えてもらう方法もある。

「考える」とはどうすることなのか

分解して過程を丁寧に踏んでいくやり方だ。

いずれ、先生の示してくれた手順を

子どもたちが自分の頭の中でできるように

なってくれればいいなと願いを込めて、

それをしながらも、

年々、スモールステップになっていることに

「本当にこれでいいのか?」と

悩んでらっしゃる先生がいる。

 

ユニバーサルデザインの考え方が徹底してきて、

教室にいる全員が理解できるような授業に

取り組んでいる先生方の中には、

「考えて」という発問を

噛み砕いて伝えれば伝えるほど、

教師自身の想定内におさまってしまうことを

嘆いていたりする。

 

 

私は、

その先生の葛藤や迷いが、

表情や態度や、

言葉にならないものになって

 

子どもたちによい影響となって

伝わるのではないかと

考えたりする。

 

 

 

一方で、

ちょっと前のアエラの内田樹氏のコラムの

「非常時に生き延びるための知恵を何も教えていない」

というタイトルの記事には考えさせられた。

 

その記事の中に、

内田氏が韓国に行った時のことが書かれていた。

セウォル号沈没事故の後、

韓国の教育関係者と会った時のことだ。

 

「ある高校教師の口から

 『生徒たちを殺したのは私たちの教育だ』

 という痛ましい自己批判の言を聞いた」

とあり、

「船内にいた修学旅行の高校生たちは

 船が45度以上傾き、

 乗組員たちが逃げ出した後も、

 なお船内放送の『待機命令』を守り、

 その多くが溺死(できし)した」

そのことを、

「上位者の命じたことに服従し、

 自分で行動の適否を判断してはならないと

 教えてきたのは私たちだ、

 と言うのである。

 平時はルールを遵守していれば済む。

 けれども、危機的事態に遭遇した時は、

 平時ルールを停止させて、

 非常時対応に切り替えなければならない。

 そういう『生き延びるための知恵」について

 何も教えてこなかったと深く悔いていた」

とあった。

 

「非常時には誰かの指示に従うというよりも、

 自分の頭で考えて行動するのだ。

 自分の命は自分で守ろう」

と教えるのは、

本当に難しいと思う。

 

 

以前、高校生達に

コミュニケーショスキルの授業に行く前に、

夫に、

「あなたが今、

 高校生に

 伝えたいことって何?」

と質問してみると、

彼は

「大人の言うことなんか聞くな、だな」

と答えてくれて、

それは一理あるなって思った。

 

私が彼らに

導入で説明したことは・・・

 

「私がコミュニケーションのことを学んだのは、

 36歳の時で、

 その時心から

 『なんで学校で教えてくんなかったの!』

 と思った。

 で、私は今57歳で、

 36歳からの20年間

 コミュニケーションのスキルは

 私を支えてくれた。


 でも、みんなのことを考えると、

 自分のことを話す、

 相手の立場にも立つってことは、

 もっと大事になってくると思う。

 

 なぜって、私の20年より、

 これからの20年は、

 変化が激しいから。

 

 例えば人口減少は進んで行く。

 未来年表というサイトに行って、

 20年後を検索すると、
 その頃は3人に一人が高齢者。
 2030年完全自動運転が可能で

 移動に困る人がいなくなって、
 2035年位には、

 日本の仕事の49%を

 AIやロボットが代わりにできるようになる。

 2040年代は、

 毎年100万人単位の日本人が亡くなる、
 生産人口は2人に1人。

 2050年には、

 AIと人間が結婚とか書いている。

 
  これらが現実になるかどうかはわからない。

 でも、みんなは、

 私が想像できない未来を生きる。

 こ〜しな あ〜しな、

 大人が今までのやり方や考え方を教えても、

 ずっとそれが使えるかどうかわからない社会を

 みんなは生きていく。

 

 どうなるかわからない、

 想定できない、

 予想がつかない世の中を生きていく時に

 必要なことはいろいろあるだろうけど、

 その一つがコミュニケーションの力だと思う。


 困った時に

 「ちょっと助けて」って言えること。

 「わかんないんだけど、どうすればいい?」

 って言えることだと思う。

 
 もちろんスマホが教えてくれればそれでいい。
 将来、

 スマホが勝手に自分の困惑を察してくれて、

 問題解決してくれる世の中になったら、

 聞かなくても済む。

 いやいや、スマホどころか、

 最適解を勝手に示してくれる何かが、

 体に埋め込まれるかもしれない。

 そしたら、

 言いにくいことを言ったり、

 はずかしいけど質問したり・・・

 ってしなくてすむ。

 

 でも、

 そうなるまでの間、

 変化のめっちゃ激しい時代を

 生きていくみんなが、

 瞬間瞬間、

 せめて、

 困ったことを言えたり、

 助けを求めたりできるといいね。

 

 自分自身を貶められそうになった時や、

 ひどく誤解をされた時に、

 それに対処するスキルがあることは、

 皆を助ける。

 

 自分の考えや感情を

 相手に伝える選択肢を持とう。

 

 同時に、

 自分にも考えや感情や、

 その時々の事情があるように、

 相手にもそれがあるんだって、

 ちゃんと認められる方が、

 受け入れてもらいやすい。

 ちゃんと相手の話を聞けること。

 

 今日は

 そのことをやるよ。

 

 ただね、

 一方で、

 これは今日の私の伝えられること、

 って自覚してる。

 

 変なこと言うけど、

 私の話を聞いて!

 いいや、聞かないで!

 って思いも込めながら、

 今日のところのベターを

 話すよ」

 

生徒の皆さんが、

理解をしてくれたかどうかはわからない。

でも、あれがあの時の

私の精一杯だったなあ。

 

 

 

 

 

学校で、先生たちの中には、

一つの指示を出しながらも、

本当にこれでいいか、

もっといい方法はないか、

迷い、考え、試行錯誤している方も多い。

 

 

「個人を大切にしながら

 集団でも生活できるようになるといい」

 

「指示には従ったほうがいいけれど、

 いざって時には自分の判断で動け」

 

黒板の前に立った時に

そのジレンマを抱えながら伝えることは、

そうではなく、

思考停止して教えている方よりも、

一言が深くなるのではないだろうか。

 

葛藤を引き受けて

それでも伝えることに、

考え続けようという思いが

にじみ出てしまうんではないだろうか。

 

 

 

 

夏休み、

学校の職員室には、

教材研究に没頭する先生、

学年で話し合いを重ねている先生、

夏休み明けの行事などを見通して

 今できる作業を淡々としてる先生、

自費で参加した研修の話を隣の席の方に

熱く語っている先生がいて、

もちろん、残念な感じの先生も

いるだろうけど、

それでも、

そんな中で

 

忙しい学期中には語り合えないことを

話せるのが、ありがたい。

 

そして、

休みあけ、

「考える」「学ぶ」ことの大切を伝えていくためにも、

先生方の夏休みが、

学んだり、考えたりすることを楽しみながら、

リラックスもできる夏休みになるといいな。

 

そんなこと、考えてる。

 

 

 

 

*散歩してたら、見つけた虫。何?

 

 

 

 

 

 

author : tanizawa-k
| SC | - |

スポンサーサイト

【2018.12.09 Sunday 08:43
author : スポンサードリンク
| - | - |


谷澤 久美子
counselor