クリームソーダは働きもの 【2017.05.27 Saturday 19:02】 |
私のfaceboookで流れてくる情報だと、 アメリカ大統領は今頃サンダース氏だったし、 原発の再稼働なんて絶対ないし、 前川前事務次官の行動には「いいね」、 み〜んなが村上春樹好きで、 犬猫好きで、 力を使うより対話を使う方が多数派のはずだ。
今、情報は じゃんじゃん入ってくるように思えるが、 自分が選んでる、 自分が欲しい情報が 集まってきているだけ。
だから、私とは正反対の 考え方や価値観の方のところには、 原発は安全だし、 共謀罪は当たり前だし、 前川前事務次官は 人格的におかしいという情報が 集まっているんだと思う。
自戒を込めて、 危ないよなあ と思う。 自分の考えが、 いちばん正しくて、 「みんな」もそう思ってる、 ってことを疑わないのは、 危険だ。
5月27日毎日新聞、 「武田砂鉄の気になるこの人」のゲストは ライターのブレディみかこさん。
彼女はイギリスで保育士の資格を取り 保育士として働いたとのことだが、 その資格を取る背景に驚いた。
ブレアさんが首相の時代のこと。 外国人保育士を 大量採用する政策があって、 それは保育士不足解消とともに、 ダイバーシティ(多様性)政策を兼ねて いたというのだ。だから、外国人。 一度社会に出た人が保育士になるための 講習を受けるのも、当時は無料で、 講習は、学期ごとに 障がい児教育、 学習能力と進み、 全てのテーマが ダイバーシティーと インクルージョンに 結びつけて論じられていたのだそうだ。
あ〜もうびっくりだ。 幼児期から、 多様性や共生を価値観に持つ大人に、 イギリスの子どもたちは保育を受けるんだなあ。
しかし、そうであったとしても 移民を排除しようという動き、 そして、 EUからの離脱かあ・・・。 難しいものだ。
自分好みの情報にまみれながら、 それでも 多様性を認めようとする考えは、 どうやったら育まれるのだろうか?
NHK朝の連ドラ「ひよっ子」で、 主人公のみね子と、 みね子の行方不明の父親を探してくれている警察官綿引の 別れのシーンがあった。
みね子は高卒後、地元奥茨城で家を手伝うつもりでいたが、 東京に出稼ぎ中の父親が行方不明になったことから、 家族のために東京に出てきて働いている。 そのことを恨むわけでもなんでもなく、 自分で選択して、ガンバってる。 警察官の綿引は、 茨城から出てきて東京で働いていたが、 父親が大怪我をしたことで、 茨城に帰ることになった。
喫茶店でクリームソーダを飲みながら 彼はみね子に言う。
「二人とも、似てる。 親のことで、 人生が変わってしまった。 でも、よくないことばっかじゃないね」
みね子は最初から 親のせいで人生変わってしまった、 なんてこれっぽっちも思ってなかったけど、 でも、それでも、 改めて、 「どうしようもない出来事で、 思った通りにいかないことがあったとしても、 よくないことばかりではない」 という見方を言語化されたことは、 大きいと思う。
しかも綿引は アイスが溶けたクリームソーダを 前に言うんだ。
「働きものだな、クリームソーダ。 溶けてもまだ美味しい」
この二人は考え方も価値観も、 多分似ている。 なんだけど、 それでも、 こういう見方、考え方を得られることは、 すこーし、みね子を広げると思う。
コーヒー豆の焙煎に能力を発揮して、 販売店を始めた アスペルガー症候群を持つ 岩野響さん(15歳)がネット上で話題だ。 5月26日の毎日新聞の夕刊にも記事が 出ていた。 中1から学校には行かず 家で食事作りを担当していたそうだ。 幼い時から鋭敏な味覚と臭覚を持っていた彼は。、 コーヒーに興味を持ち始め、 のめり込んでいったとのこと。 ただ、高校進学の選択も捨てきれずに 迷っていた時、 家族旅行でいったタイで船から水平線を眺め、 「世界ってこんなに広大なんだ。 他の人と違う生き方もいいのかな」 と思えて、今に至ったとのこと。
引っ張りだしてくれるのは、 やっぱり 「他」なんだなあ。
自分の中でぐるぐるしているのではなく、 誰かと会ったり、 読んだり、見たり、 多様性に関する 「他」の影響は大きい。
そして、 最もすごい「他」は、 案外近くにいる。
嫌いな人、 苦手なこと、 理解できない考え、 違和感ある行為は、 自分の想像力を鍛えてくれるもの、 と言えそうだぞ。
好きになる必要はないけど、 観察して、 背景など考えてみるのも よいのかも。
多様性の中を生きるには、 自分の知っていることは 偏ってるかもしれない って理解しておくこと。 これがスタートラインなんだろう。
それから、 自分の考え方以外に いろんな考え方があることをわかって、 想像したり、調べたり、 そうしてみたい。
で、向こうからやってきた 違和感ある「他」は、 チャンス! と捉えることなんだよな。
岩野さんのお店のキャッチコピーは、 「ぼくができることから ぼくにしかできないことへ」。 「他」と出会いながら、 人間はそこに至れるんだよな。
「クリームソーダは働きもの」、 ひっかかったセリフという 「他」と出会って、 多様性について こんなこと考えた。
そして私は苦手なパワポ作りに 取り組むのだ。 がむばるぞ〜!
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author : tanizawa-k
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