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PTGとPEG

【2016.05.16 Monday 12:48
4月26日の毎日新聞夕刊に
詩人和合亮一氏のコラムがあって、
その記事の中に
宮城県河北新報社が震災後に募集してきた詩の
いくつかが掲載されていた。

「故郷でみんなで
 うんめもの食って 
 とんでもね苦しさを
 笑顔で語り合う
 最高の幸せ」(日野修 「うんめな」)


熊本地震で苦しい思いをされている方々にも、
いつかこんな日が来るといい。

同じ日の朝刊の発信箱
岩手県宮古市立第一中学校3年生の修学旅行の
話題だった。

彼らの修学旅行先は東京で、
スカイツリーにもディズニーランドにも行ったけど、
宮古市出身者が要職にある企業を、手分けして訪ね、
復興の様子を報告し、支援してくれた人々に感謝を
届けて回ったというのだ。

その中の一つに、
同校合唱部の指導に、
震災後何度も足を運んでくれた
「心の花を咲かせよう合唱団」という存在があった。
お礼の気持ちを込めて、
3年生全員で合唱したそうだ。

♪ていねいに生きて 
 いっしょうけんめい生きて
 ひっそりでいい
 心に花を咲かせよう♪

震災にあった時小学校3先生だった彼らは、
義務教育を終える年齢となって、
大切な修学旅行の時間を、
震災を語り継ぐことや、
成長した姿を見てもらうことや、
感謝の気持ちを表すこと、
それらに使う選択ができる人となっている。

なんて素晴らしいんだろう。



本「スーパーベターになろう」の中に、
PTGに関する記述がる。

PTGとは
「ポスト トラウマティック グロース」
「心的外傷後の成長」
という意味。
(よく知られているPTSDは
 心的外傷後ストレス障害。
 その後、
 不安や憂鬱がつきまとう症状)

つまり、
ものすごいショッキングな出来事を経験したとしても、
必ずしもその後、長期に及ぶ問題を引き起こす訳ではなく、
逆に
以前よりもしなやかに、
以前よりも人格的に成長し、
力強く生きていける人もいるということを
PTGという言葉で表す。

まさに、
日野修氏の詩に描かれているのは
そういう人々だし、
宮古市の中3生もそうだ。

私もカウンセリングや研修で、
PTGを体現している方々に
たくさん出会った。

PTGを経験した人が口にする代表的な5つの言葉が
「スーパーベターになろう!」の中にある。
1・優先順位が変わった。
  幸せになるために行動することを恐れなくなった。
2・友人や家族を身近に感じるようになった。
3・自分をもっと理解できるようになった。
  自分が何者なのかわかった。
4・人生に新しい意義と目的を見出した。
5・目標と夢に集中できるようになった。



私自身も、もう約30年前になるが、
母の突然の死や
約20年前になる父の死と家業の廃業は、
相当なダメージだったけれど、
それを乗り越えられた自分のことを、
それ以前よりも信じられるようになった。
(もちろん自分の力で
 乗り越えたのではないけれど。
 たくさんの惜しみないサポートが
 あったんだけど)
つまり「3」に関して、
めちゃ実感した。


ロゴセラピーでは
「苦悩は人間の能力の一つである」という。
「苦悩というものが、
 人間の精神的成長にとって欠くことの
 できないもの」ともいう。

そして、
ここまでは
これまでも知っていたことだし、
見てきたことだし、
実感できることでもあった。




さて、
「スーパーベターになろう!」の中に
もう一つの概念PEGという新しい言葉を
見つけて、とっても納得した。

PEGとは「ポスト エクスタティック グロース」
「恍惚後の成長」と訳されていた。

著者は
「トラウマを全く経験することなく
 5つの恩恵を享受する方法はないのだろうか?」と考えた。
「PTGの恩恵を得られるからといって、恐ろしい喪失や怪我、
 病気、その他様々なトラウマを経験したいと思う人は
 いないはずだ」と。

そしてリサーチ。
先に研究していいた臨床心理学の開業医
アン・マリー・レープク氏のPEG、
「痛みなき成長(あるいは極めて小さな痛みでの成長)」を
見つけたのだ。

「PEGはPTGと同じ働きをする。
 ちがいは、自分でチャレンジを選ばないとならない
 ということだ。
 恐ろしいトラウマに見舞われるのを
 じっと待つのではなく、
 大きなストレスとチャレンジを生み出す
 有意義なプロジェクトやミッションを
 進んで引き受ければ、いつでもPTGを獲得できる」


私は、この春、
ちょっとした新しいことにチャンレンジをした。

準備の段階がとても苦しくて、
なんで引き受けてしまったのかとか、
荷が思い!とか、
何度も何度も考えた。

断ることも可能だったけれど、
あえて引き受けた新しいこと。
それは確かに、
終わってみれば、
今までよりもう少し厚くなった自信と、
今年度は、もっともっといろいろチャレンジしようと
いう自分への期待が増したように思う。

このPEG の考え方は知ってしまうと、
すごくいい。
何かに挑戦することは、
もしも成功したならば、
そのこと自体の結果以上の恩恵があるし、
たとえ失敗したとしても、
挑戦を選んで挑んだことの意義は
得られるってわけだ。

すごい。

成功の反対は
失敗ではなく、
何もしないこと。

そして何かをすれば、
結果がどうであれ、
もれなく「成長」がついてくる。




予期しない、とんでもないことが
起こったとしても、
人間は、
それを自分自身の豊かさにつなげることができる。

そして、普通の日常の中で、
何かに挑むことは、
そのことそのもので自分をの厚みに幅を
持たせることもできる。


なんか、
そう考えると、
とってもとっても卑近な例で
恥ずかしいけど、
私の今の左手は、
ま、私の研ぎ石なんである。

今はこんな感じ。↓パンパン。




 
ジェイン マクゴニガル
早川書房
¥ 2,160
(2015-11-15)

author : tanizawa-k
| | comments(2) |

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【2017.08.21 Monday 12:48
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この記事に関するコメント
PTGとPEG…深く納得してしまいました。娘に様々なことがおきて数年、私は彼女の根っこを信じています。不安なことも時に信じられなくなりそうなこともありますが、それでも私は彼女の成長もまた実感しています。何事もおきなければ今の彼女はなかった、でもその間の苦しみや葛藤を思うと、だからよかったとも到底思えない。それは本人だけでなく家族にとっても同じことです。みんな変わりました。もちろん完璧なんてあり得ないけれど、それでも前とは違います。PEGのほうだったらもっとよかったけれど、少なからずPTGの実感を得られたことが、私の場合PEGへの興味へつながっているようにも思います。やっぱりムダなことってないんだなぁ。つながっていくんだなぁ。本、読んでみます。
| クイックル | 2016/05/17 10:11 AM |
苦悩や苦難、できればない方がありがたいけど、お互いの人生に「もれなく」ついてきてしまいましたね。そして、だからこその経験もいっぱいしました。私たち、PTG実践者!と胸をはって参りましょう。でへへ。
| ◆クイックルさん←谷澤 | 2016/05/18 4:02 PM |
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谷澤 久美子
counselor